永正(えいしょう)十三年、内大臣を辞して剃髪。 仏門に帰す。
三十年來朝市塵 片舟歸去五湖春平生慚愧無功業 合對白鷗終此身
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三十年来(ねんらい)朝市(ちょうし)の塵(ちり)、片舟(へんしゅう)帰(かへ)り去(さ)る五湖(ごこ)の春(はる)。平生(へいぜい)慚愧(ざんき)す功業(こうぎょう)無きを、合(まさ)に白鷗(はくおう)に対(たい)して此(こ)の身(み)を終(お)へん。
三十年もの長きにわたって世俗の塵にまみれてしまった、そろそろ范蠡(はんれい)のように湖に小舟でも浮かべて帰り去ろう。彼の如き功業を果たせずにいるのは常々恥じるところではあるが、去り際ぐらいは同じくありたいのだ。
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