上杉謙信
戦国大名。
諱は輝虎、本性は長尾氏、剃髪して不識庵謙信(ふしきあんけんしん)と号す。
越後を基盤に、越中、能登、加賀を領有。
天正(てんしょう)六年、四十九歳没。
九月十三夜陣中作
霜滿軍營秋氣清。數行過雁月三更。越山併得能州景。遮莫家郷憶遠征。
霜(しも)軍営(ぐんえい)に満(み)ちて秋気(しゅうき)清(きよ)し、数行(すぎょう)の過雁(かがん)月(つき)三更(さんこう)。越山(えつざん)併(あは)せ得(え)たり能州(のうしゅう)の景(けい)、遮莫(さもあらばあれ)家郷(かきょう)遠征(えんせい)を憶(おも)ふ。
霜が陣営に舞い降り秋の気は澄み渡っている、夜空の月に雁が列をなして渡っていった。越州の山々と能登が織り成すこの絶景、我等を想う故郷のことは置いておこう。