二
- 二水中分白鷺洲
ニスヰチユウブンハクロシウ
金陵西南江中の景を詠ぜし句。唐詩選に出づ。
- 二世
ニセイ
二代に同じ。
ニセ
現在の世と、未來の世と。
- 二姓
ニセイ
男女の二家、次條(二姓之好)參看。
兩朝の君。
二夫をいふ。
- 二聖一賢
ニセイイツケン
二聖は大禹・孔子、一賢は墨子をいふ。
- 二姓之好
ニセイノカウ
男女兩家のよしみ。
- 二昭二穆
ニセウニボク
諸侯の廟。
- 二千石
ニセンセキ
漢代の郡の太守、年俸二千石なるに由る。
じせんせき
にせんごく
にせんせき
中国における地方長官の異名。
- 二千里外故人心
ニセンリグワイコジンノココロ
月に對して、遠國の友を思ふ義。三五夜中新月色(二七頁三段)を見よ。
- 二祖
ニソ
高祖と世祖と。
禪家にて初祖達摩の次の祖。
- 二疏
ニソ
漢の疏廣・疏受の二人の稱。
- 二尊
ニソン
二つの尊き者。
釋尊卽ち釋迦シヤカと慈尊卽ち彌勒ミロクとの稱。
伊弉諾尊イザナギノミコトと伊弉册尊イザナミノミコトと。
- 二諦
ニタイ
世閒と出世閒と。
俗諦と眞諦と。
- 二代
ニダイ
前後の兩代。
- 二桃殺三士
- 二桃殺㆓三士㆒
ニタウサンシヲコロス
奇計を用ひて勇士を殺すをいふ、齊の景公の臣に、公孫接・田開疆・古冶子の三勇士あり、功を恃みて專恣なり、公之を患ひ、晏子の計を用ひ、二つの桃を三人に與へ、功を計りて之を食はしむ、三士初は爭ひ、後は讓りて皆自殺せり(晏子春秋)
- 二刀流
ニタウリウ
大小の二刀を兩手に用ふる劍道の一流、寛永年中、宮本無三四はじむ。
- 二致
ニチ
ふたつの旨趣。
- 二女
ニヂヨ
ふたりのむすめ。
- 二程
ニテイ
程明道・程伊川の兄弟の稱。
- 二帝三王
ニテイサンワウ
二帝は唐堯・虞舜、三王は、夏の禹王・殷の湯王・周の文王・武王(漢書、揚雄傳)
- 二程全書
ニテイゼンシヨ
六十八卷、書名、宋の程顥・程頤兄弟の遺著にして、明の萬曆中徐必達の合刻せしもの。
- 二天
ニテン
大恩を受けたる人を天に竝べていふ。
- 二典
ニテン
尙書の堯典・舜典をいふ。
- 二等親
ニトウシン
第二等に當る親族。
- 二南
ニナン
詩經の周南と召南と。
- 二人
ニニン
ふたり。
父母の稱。
- 二人同心其利斷金
- 二人同㆑心其利斷㆑金
ニニンココロヲオナジクスレバソノリキンヲタツ
金蘭之契を見よ。
- 二舞
ニノマヒ
安摩の舞の次に舞ふ可笑しき舞樂の名。
轉じて何事にても他人の後に出でて其の眞似をなすにいふ。
- 二丸
ニノマル
本丸のそとまはりの城郭クルワ=外城・羅城。
- 二八
ニハチ
十六歲、多くは女子に用ふ。
- 二妃
ニヒ
虞舜の二妃、娥皇・女英なり。
- 二碑紀功
- 二碑紀㆑功
ニヒコウヲキス
晉の杜預が兩碑を立て、其の功を紀せしをいふ。
- 二百十日
ニヒヤクトヲカ
立春の日より二百十日目の日。陽曆の九月一日頃に當る、其の後十日目を二百二十日といふ、暴風雨多くして稻作を害す、共に農家の厄日とす。
- 二百二十日
ニヒヤクハツカ
前條(二百十日)を見よ。
- 二百六韻
ニヒヤクロクヰン
四聲の中にて平聲五十七韻、上聲五十五韻、去聲六十韻、入聲三十四韻を合せていふ。
- 二府
ニフ
漢代、丞相と御史との稱。
宋は中書省・樞密院の稱。文事は中書に出で、武事は樞密に出づ。
- 二夫
ニフ
二人のをつと。
- 二分
ニブン
春分と秋分と。二至を見よ。
- 二柄
ニヘイ
人主の執る二つの權柄、刑と德と。
賞と罰との二つの權力。
文と武との二つの權力。
- 二毛
ニマウ
黑毛と白毛と、白髮まじりの老人。=班白。
- 二毛作
ニマウサク
同一の田地にて一年に二度の作物を得る、稻を刈りたる跡に麥を蒔くの類。
- 二銘
ニメイ
宋の張載(橫渠)の東銘と西銘と。
- 二名
ニメイ
二字の名。
- 二妙
ニメウ
二人の優れたる枝を稱す。
- 二老
ニラウ
伯夷と太公と。
- 二利
ニリ
自利と他利との稱。
- 二陸
ニリク
晉の陸機(字は士衡)と陸雲(字は士龍)と、兄弟共に詩文を善くす。
宋の陸九齡兄弟。
- 二輪
ニリン
福德と智慧との稱。
二つの車の輪「二輪車」
二つの花冠。
- 二六時中
ニロクジチユウ
陰曆の時計の晝六時、夜六時、合せて十二時の閒をいふ、晝夜といふに同じ。
- 二王
ニワウ
ふたりのきみ。
夏と殷と。
晉の能書家王羲之と其の第七子王獻之との稱。
佛法守護の神として寺門の左右に立てる金剛力士の稱、左を密迹ミツシヤ金剛、右を那羅延ナラエン金剛といふ。=仁王。
- 二日醉
フツカヱヒ
翌日まで醉ふ。=宿酲・宿醉。