題西村氏永正祐定刀(中井履軒)

赤穂義士の遺刀を詠ず。

分類
  • 1.漢詩
漢詩形式
  • 1.五言絶句

原文↑↑↑

赤城萬古標  炭漆不足
匣中三尺霜  長照烈士

  
  

書き下し文↑↑

赤城(せきじょう)萬古(ばんこ)(ひょう)、炭漆(たんしつ)論ずるに足らず。#1
匣中(こうちゅう)三尺(さんじゃく)(そう)、長照(ちょうしょう)烈士(れっし)(こん)

現代語訳↑

赤穂の城は万古に亘(わた)って義士の鏡となり、豫譲(よじょう)の故事など及ぶべくもない。
箱に納めてある澄みきった三尺の日本刀は、いつまでも烈士の志操を照らすのだ。

永正祐定は刀工の名。
刀は原元辰(はらもとたつ)の所持せしものという。

備考
#1史記、刺客列伝。晋の豫譲(よじょう)が自分を国士として認めてくれた智伯(ちはく)の死を知り、その恩に報ぜんと仇討ちを決意し、炭を飲んで喉を潰し、漆を塗ってらい病を装い、その姿を変えて仇の趙襄子(ちょうじょうし)に迫った故事。
補足
:入声、
:平声、
:去声、
:上声、
1.平声、2.上声、
:去声、
:入声、
1.平声、2.上声、3.入声、4.入声、5.平声、
1.去声、2.入声、
1.平声、2.平声、3.去声、
:入声、
1.平声、2.去声、
1.平声、2.去声、3.平声、
:入声、
:平声、
1.平声、2.上声、3.去声、
:去声、
:入声、
:上声、
:平声、

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