海南行(細川頼之)

管領職を解任され領国讃岐に帰還するに臨んで詠ず。

分類
  • 1.漢詩
漢詩形式
  • 1.七言絶句

原文↑↑↑

人生五十愧無  花木春過夏已
滿室蒼蠅掃難去  起尋禪榻臥清

  
  

書き下し文↑↑

人生(じんせい)五十(ごじゅう)(こう)無きを(は)づ、花木(かぼく)(はる)(す)ぎて(なつ)(すで)(なかば)なり。
満室(まんしつ)蒼蠅(そうよう)(はら)へども(さ)(がた)し、(た)ちて禅榻(ぜんとう)(たづ)清風(せいふう)(が)せん。

現代語訳↑

年五十となって何の功もないのは恥ずかしいが、もう花咲く春も過ぎて夏真っ盛りとなってしまった。
部屋の青バエがうるさく飛んで少しも已む気配がないから、さっさと禅室を尋ねて清らかな風に吹かれにいこう。

細川頼之は政敵の離間工作によって義満から罷免され失脚、一族を率いて領国の讃岐へ帰り、剃髪して常文(じょうぶん)と名を改めた(康暦の政変)。

補足
:平声、
1.平声、2.去声、
:上声、
:入声、
:去声、
:平声、
:平声、
:平声、
:入声、
:平声、
1.平声、2.去声、
1.上声、2.去声、
1.上声、2.去声、
1.平声、2.去声、
滿:上声、
:入声、
1.平声、2.上声、
:平声、
1.上声、2.去声、
1.平声、2.去声、
1.上声、2.去声、
:上声、
:平声、
1.平声、2.去声、
:入声、
:去声、
:平声、
1.平声、2.去声、

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