三
- 三丘
- サンキウ
- 仙人の居處、三神山に同じ。=三山・三島。
- 三九之位
- サンキウノクラヰ
- 三公九卿の位。
- 三宜休
- サンギキウ
- 三つの宜しく休息すべきこと。
- 三希堂
- サンキダウ
- 北京城内月華門の西に在り、淸の高宗、王羲之・王獻之・王珣三人の墨蹟を此の堂に珍藏し因りて以て名づく。
- 三曲
- サンキヨク
- 筑紫琴・胡弓・三味線の三つのなりもの。「三曲合奏」
- 三極
- サンキヨク
- 天・地・人の稱。=三才。
- 三釁三浴
- サンキンサンヨク
- 釁は香を身に塗る、浴は湯あみする、身を淸むる義。=三浴三熏。
- 三驅
- サンク
- 先王田獵の制、合圍せざる義。
- 三懼
- サンク
- 王者のおそるべき三事。
- 三苦
- サンク
- 苦の緣より生じて受くる苦と、樂破れて受くる苦と、無常の遷流より受くる苦との稱。
- 三宮
- サングウ
- 皇后宮・皇太后宮・太皇太后宮。=三后。
- 伊勢の内宮・外宮・伊雜イザハ宮。
- 三寡
- サンクワ
- 養生の法は思慮・嗜欲・言語をすくなくするに在り。
- 三槐
- サンクワイ
- 三公の義。次條を見よ([@三槐九棘])。蘇軾に三槐堂記あり。
- 三魁
- サンクワイ
- 殿試に及第せし第一席(狀元)第二席(榜眼)第三席(探花)の稱。
- 三囘忌
- サンクワイキ
- 人死して滿二年目の忌日(大祥)=三周忌。
- 三槐九棘
- サンクワイキウキヨク
- 三光
- サンクワウ
- 日・月・星。
- 三皇五帝
- サンクワウゴテイ
- 伏犧・神農・黄帝を三皇、少昊・顓頊・高辛・唐・虞を五帝とす(尙書、序)包犧氏・女媧氏・神農氏を三皇、黄帝・顓頊・帝嚳・唐堯・虞舜を五帝とす(史記)
- 三光鳥
- サンクワウテウ
- 深山に棲む鳥の名、其の聲日月星ヒツキホシ(三光)といふが如し、形モズに似て頭白し。=山鵲。
- まめまはし(鳥名)の別名。
- 三瓦戒
- サングワノカイ
- 屋を葺くに瓦三枚を缺くは盈滿を戒むるなり。
- 三花馬
- サンクワバ
- 馬のたてがみを翦りあみて飾とするをいふ。
- 三過門閒考病死、一彈指頃去來今
- サンクワモンカンラウヘイシイチダンシケイキヨライコン
- 蘇軾の詩の句、下に「存亡慣㆑見渾無㆑淚、郷井難㆑忘尙有㆑心」とあり。
- 三願
- サングワン
- 三つのねがひ。
- 三桓
- サンクワン
- 春秋の世、魯の三卿、孟孫・叔孫・季孫をいふ、皆桓公に出づ、故にいふ。
- 三澣
- サンクワン
- 前條に同じ(三浣)。
- 三關
- サンクワン
- 近江の逢阪・美濃の不破・越前の愛發アラチ關、一に愛發關を除きて伊勢の鈴鹿關を加ふ。
- 三管
- サンクワン
- 笙・笛・篳篥ヒチリキ
- 三浣
- サンクワン
- 一月を三分し、上の十日を上浣、中の十日を中浣、下の十日を下浣とす、漢唐の制、官吏に毎十日に休沐を賜ひしより、轉じて旬の義とす、浣は洗ひそそぐ義、澣に同じ(類書纂要)=三澣・三旬。
- 三管領
- サンクワンリヤウ
- 室町氏の管領職なる斯波・畠山・細川。
- 三軍
- サングン
- 周の制、大諸候の出す兵數、一軍は一萬二千五百人。
- 轉じて、大軍の義とす。
- 三薰三沐
- サンクンサンモク
- 香を以て身を薰し、湯にて髮を洗ひ身を淸める。=三釁三沐。
- 三軍可奪帥也、匹夫不可奪志也
- 三軍可㆑奪㆑帥也、匹夫不㆑可㆑奪㆑志也
- サングンスヰヲウバフベキナリヒツプココロザシヲウバフベカラザルナリ
- 孔子の語、(論、子罕)三軍の衆は、其の勢盛んなりと雖も、其の勇は人に在りて己にあらず、故に其の將帥をも奪ふべし、匹夫は力孤なれども、心に守る所ろ、堅ければ、死すと雖も、志は得て奪ふべからず、守るところ我に在りて、人の與かる所ろなきを以てなり、されば人は志を立つること堅固ならざるべからずと。
- 三經
- サンケイ
- 易經・詩經・春秋(漢書、五行志)書經・詩經・周禮(紺珠)
- 三計
- サンケイ
- 一年十年終身の三つのはかりごと。四計參看。
- 三卿
- サンケイ
- 周代、諸侯附屬の三つの官、司徒・司馬・司空の稱。
- サンキヤウ
- 德川氏の別家たる田安タヤス一橋ヒトツバシ淸水の三家。
- 三徑就荒
- 三徑就㆑荒
- サンケイアレニツク
- 三徑は隱者などの庭園、就荒はあれる義。
- 三敎
- サンケウ
- 儒敎・佛敎・道敎。
- 小乘敎・大乘淺敎・大乘深敎。
- 神道・儒敎・佛敎、又近時は神道・佛敎・基督キリスト敎をもいふ。
- 三解脫
- サンゲダツ
- 三種の解脫、卽ち空・無想・無願。
- 三傑
- サンケツ
- 三人のすぐれたる人、漢の高祖の臣張良・蕭何・韓信(史、高祖紀)
- 後漢の光武帝の臣、鄧禹・馮異・馬援。
- 三國の諸葛亮・關羽・張飛(紺珠)
- 唐の玄宗帝の臣、宋璟・張說・源乾曜(唐書、宋璟傳)
- 三元
- サンゲン
- 正月元日の稱、年・月・日の三つの始といふ義、元は始なり。=三始・三朝。
- 上元(一月十五日)中元(七月十五日)下元(十月十五日)の總稱。
- 天と地と人との稱。=三才。
- 進士に及第せし第一・第二・第三席の三人。
- 三愆
- サンケン
- 三つのあやまち。
- 三絃
- サンゲン
- 三すぢの絲を張りたる樂器。舊唐書、音樂志「江左諸曲、從容緩雅、樂用㆓琴一、三絃琴一、搫琴一㆒」
- 三味線の稱。
- 三權
- サンケン
- 國家の權力を立法權・司法權・行政權に分つ稱。
- 三鈷
- サンコ
- 鈷は天竺の兵器、今、眞言宗にて佛具に用ふ、煩惱を破る義、銅にて作り、兩端一尖なるを獨鈷、三尖なるを三鈷、五尖なるを五鈷といふ。=金剛杵。
- 三吳
- サンゴ
- 吳の地を吳郡・吳興・會稽の三つに分てる稱(水經注)
- 三孤
- サンコ
- 周の制にて、三公の副官、少師・少傅・少保(書、周官)=三少。
- 三五
- サンゴ
- 三と五とを乘じたる數、十五夜をいふ。
- 物の稀疏マバラなる形容。
- 三顧
- サンコ
- 蜀漢の劉備が諸葛孔明の草廬を三度まで訪ひたる故事。
- 三鼓
- サンコ
- 太鼓・羯鼓カツコ鐘鼓。
- 夜の十二時。=三更。
- 兵を進める爲めに三たび鈷をうつ(左、莊十)
- 三壺
- サンコ
- 海中にある三神山、蓬萊・方丈・瀛州の三島山、形壼に似たり故に壺といふ。