九
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- 九夷

キウイ
九種のえびす。
- 九有

キウイウ
九州に同じ、有は其の地を撫有する義。
- 九夷八蠻

キウイハチバン
おほくのえびす。=八蠻九貊。
- 九淵

キウエン
きはめてふかきふち、九重のふち。
九つのふち。
- 九埏

キウエン
國土のかぎり。=九垠。
- 九夏

キウカ
夏の九十日。=九暑。
周の九つの大いなる樂歌、夏は大。
- 九皋

キウカウ
幾重にもなりしふかきさは。
- 九江

キウカウ
洞庭湖の舊名。沅・漸・元・辰・敍・酉・澧レイ資・湘の九川が同じく合するが故。
キウキヤン
チウチアン
縣名、明代、九江府を置く、江西省に屬す、九南鐵路の起點たり、通商港にして貿易甚だ盛んなり、輸出品は、茶紙を以て大宗とす。
- 九合

キウガフ
あつめあはす、九は糾に同じ。=糾合。
- 九畿

キウキ
周代の制、畿内を千里四方とし、其の四圍を上下左右各五百里毎に一畿として區劃し、侯畿・甸畿・男畿・采畿・衞畿・蠻畿・夷畿・鎭畿・蕃畿とせし稱(周禮、夏官大司馬)=九服。
- 九逵

キウキ
街路の四方八方に通ずるもの、四通八達のちまた。
- 九丘

キウキウ
九州卽ち支那全土の地理書の名、今は傳はらず、丘は聚なり。三墳五典(三四頁三段)參看。
- 九九

キウキウ
古、算術の一法、九は數の極、其の九倍は最大數の義、よりて名づく、後世の九章算法に同じ。
クク
乘法の「二二が四」の類「九九八十一」にて終るが故。
- 九牛一毛

キウギウノイチマウ
九匹の牛の毛の中の一本の毛、大多數中の極少數に喩ふ。
- 九疑山

キウギザン
湖南省寧遠縣の南六十支那里に在る山名、九峯竝び聳え、山形相似たるによりて名づく。=九嶷山。
- 九棘位

キウキヨクノクラヰ
孤卿大夫と公侯伯子男との位、外朝をいふ。
九卿の位。
- 九垠

キウギン
天地のはて。=天垠・九垓。
- 九𢌞膓

キウクワイチヤウ
心膓の𢌞轉するほど憂悶する義。
川などの屈曲多き形容。
- 九官

キウクワン
古、國家の政を執りし九つの大官。司空・后稷・司徒・士・共工・虞・秩宗・典樂・納言をいふ、司空は百揆モロモロノツカサを總ぶ、今の總理大臣、后稷は農政を掌り、司徒は五敎を敷き、士は訟獄を理め、共工は百工の職事を供給し、虞は山澤の事を掌り、秩宗は宗廟百神を祀ることを掌り、典樂は音樂舞蹈の事を掌り、納言は帝命を出納するの官にして、下言を聽きて上に納れ、上言を受けて下に宣ぶるものなり(書、舜典)
鳥の名、大さ鵯ヒヨドリの如く、性怜悧にして人語をまねす。=秦吉了。
- 九經

キウケイ
周禮・儀禮・禮記・左傳・公羊傳・穀梁傳・易經・書經・詩經(初學記)
一說に易・詩・書・禮記・春秋・孝經・論語・孟子・周禮。
天下を治むる九つの道。
- 九刑

キウケイ
周の九つの刑法、墨刑イレズミ劓刑ハナキリ剕刑アシヰリ宮刑・大辟(死刑)流刑・贖刑(科料)鞭刑(笞刑の一)朴刑(笞刑の二)
- 九卿

キウケイ
九人の大臣、時代によりて名異る、周は、少師・少保・少傅(以上三孤)冢宰・司徒・宗伯・司馬・司寇・司空(以上六卿)秦漢は、大常・光祿勳・大鴻臚・大司農・衞尉・太僕・廷尉・宗正・少府。宋は大常・光祿勳・衞尉・太僕・廷尉・宗正・大鴻臚・大司農・少府。
- 九經庫

キウケイコ
九經に深く通ぜるをいふ。
- 九竅

キウケウ
人體に備はる九つのあな。口・兩眼・兩耳・兩鼻孔(以上陽竅)兩便孔(陰竅)をいふ(周禮、天官、疾醫)=九穴。
- 九穴

キウケツ
九竅に同じ。
- 九月九日

キウゲツキウジツ
菊の節句、卽ち重陽の節をいふ。
- 九原

キウゲン
戰國時代の晉の卿大夫の墓のある地名、轉じて墓地又はよみぢ(黄泉)の義とす。=九京。
- 九獻

キウケン
クコン
古の饗禮、主客九たび酒を獻酬するをいふ。
- 九賢

キウケン
九人の賢人。
- 九京

キウゲン
墓地をいふ、京は原に通ず、よみぢ。=九原。
- 九五

キウゴ
易の卦にて、下より數へて五つ目の陽爻。
- 九功

キウコウ
九種の功績テガラ水・火・金・木・土・穀(以上を六府といひ、民を養ふ基)正德・利用・厚生(以上を三事といひ、善政の本)
- 九孔螺

キウコウラ
石決明アハビの異名。
- 九穀

キウコク
黍キビ稷モチキビ秫モチアハ稻・麻・大豆・小豆・大麥・小麥(周禮、太宰、注)
- 九國

キウコク
戰國の九國。
九州に同じ。
- 九五之尊

キウゴノソン
天子の位、九は陽の數、九五は易の卦にて天子の位。
- 九載相逢

キウサイアヒアフ
九年目に出逢ふ義、載は歲なり。
- 九山

キウザン
九つの山、會稽・泰山・王屋・首山・太華・岐山・太行・羊膓・孟門(呂覽・淮南子)會稽・衡山・華山・沂山・岱山・嶽山・醫無閭・霍山・恆山(職方氏、九州山鎭)
多くの山。
九州の名山。
- 九三

キウサン
易卦にて、下より數へて三つ目の陽爻。
- 九二

キウジ
易卦にて、下より數へて二つ目の陽爻。
- 九思

キウシ
君子の平生思ふ所九あるをいふ。
- 九死一生

キウシイツシヤウ
殆ど死せんとして僅に助かりし義、極めて危きをいふ。
- 九州

キウシウ
九つの國、冀・兗・靑・徐・荊・揚・豫・梁・雍の稱(書、禹貢)=九土・九國。
西海道九ケ國の稱。
きゅうしゅう
全土。禹貢(うこう)九州。
- 九秋

キウシウ
秋の九十日。
- 九章

キウシヤウ
虞舜の世、天子の冕服の模様は十二章なりしが、周に至りて其の中の日月星辰を旂に升せ、冕服は九章とす。
古の算法の名。=九數。
- 九錫

キウシヤク
キウセキ
大功ある者を優禮して特に賜はる九つの品、一に車馬、二に衣服、三に樂器(一に樂則)四に朱戶、五に納陛、六に虎賁、七に鈇鉞、八に弓矢、九に秬鬯(祭に用ふる酒)(漢書、武帝紀注)
- 九春

キウシユン
春の九十日。=靑春・陽春。
- 九暑

キウシヨ
夏の九十日の閒の暑をいふ。=九夏。
- 九職

キウシヨク
堯の九佐。
三宮職・中宮職・春宮職・左右京職、大繕職・修理職。
- 九仞功虧一簣

- 九仞功虧㆓一簣㆒
キウジンノコウイツキニカク
九仞の山を築くに、一簣ヒトツノモツコの土を缺けば、其の功を完成する能はず、以て積年の勞も一失の爲めに敗るるに喩ふ。
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