新正口號(武田信玄)

新年正月、即興に詠う。

分類
  • 1.漢詩
漢詩形式
  • 1.七言絶句

原文↑↑↑

淑氣未融春尚  霜辛雪苦豈言
此情愧被東風咲  吟斷江南梅一

  
  

書き下し文↑↑

淑気(しゅくき)(いま)(とほ)らず(はる)(な)(おそ)し、霜辛(そうしん)雪苦(せつく)(あ)(し)(い)はんや。
(こ)(じょう)(はづ)らくは東風(とうふう)(わら)はれんことを、吟断(ぎんだん)江南(こうなん)(うめ)一枝(いっし)

現代語訳↑

穏やかな陽気には程遠く春の訪れは何時になろう、この厳しい霜雪にどうして詩を作る気になれようか。
そんな野暮な心情は春風に笑われてしまうから、先ずは江南一枝の梅でも詠おうか。

江南梅一枝は陸凱(りくがい)の故事。
南北朝時代の宋の陸凱は范曄(はんよう)と友であった。
江南に住んでいた頃、北地の長安に住む范曄へ梅一枝に詩を添えて送った。

折花逢駅使、寄与隴頭人。
江南無所有、聊贈一枝春。

一枝の梅を手折って飛脚に託し、隴頭(ろうとう)に住む貴方にお届けします。
江南には何も送るものがありませんから、ささやかながら一足早く訪れた一枝の春を贈ります。

補足
:入声、
:去声、
:去声、
:平声、
:平声、
1.平声、2.去声、
:平声、
:平声、
:平声、
:入声、
1.上声、2.去声、
:上声、
:平声、
:平声、
:上声、
:平声、
:去声、
1.上声、2.去声、
:平声、
1.平声、2.去声、
:データ未収
1.平声、2.去声、
1.上声、2.去声、
:平声、
:平声、
:平声、
:入声、
:平声、

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