一
- 一天萬乘
イツテンバンジヨウ
周代、天子の領地は兵車萬乘を出す制なり、それより天子、又、天子の位をいふ。
- 一塗
イツト
ひとつのみち。=一途。
- 一途
イツト
次條に同じ(一塗)、ひと筋の道、同じ道、ひとすぢ。「文武一途」
イチヅ
ひとすぢに、專ら。「一途に思ひ込む」
- 一統
イツトウ
ひとつにすべ合す。=統一。
一同の義。「貴家御一統」
- 一頭
イツトウ
牛馬などを數ふるにいふ。
- 一等親
イツトウシン
血すぢの遠近によりて六等親に分ち、其の第一等に當る親族、父母・養父母・子・養子。
- 一德
イツトク
純一の德。
- 一得一失
イツトクイツシツ
一を得て一を失ふ、利と損と相伴ふ。=一利一害。
一つの得益と、一つの過失と。
轉じて己の意見を陳ぶることを謙して一得之見といふ。
- 一斗粟尙可舂
- 一斗粟尙可㆑舂
イツトノゾクナホウスツクベシ
僅かの食も兄弟互に分ち食ふべきをいふ。
- 一頓
イツトン
一度の食事、一次の食。
一度休息する。揚雄賦「忽萬里而一頓兮」=一息。
- 一派
イツパ
ひとつの支流。
一つの流儀。
- 一把
イツハ
ひとたば、ひとにぎり。
- 一杯
イツパイ
ひとつのさかづき。
杯に盛りし酒、又、單に酒の義。
みつる、充滿。
- 一輩
イツパイ
一つのなかま。
- 一杯機嫌
イツパイキゲン
酒に醉ひて愉快なる心地。
- 一杯水
イツパイスヰ
ひとさかづきの少しの水。
- 一敗塗地
- 一敗塗㆑地
イツパイチニマミル
全く敗北して、肝腦地にまみれ、再び起つこと能はざる義。
- 一杯酒
イツパイノサケ
晉書、張翰傳「使㆔我有㆓身後名㆒、不㆑如㆓卽時一杯酒㆒」
- 一包
イツパウ
ひとつつみ。
- 一方
イツパウ
かたはう。=一片。
かなた、あなた。
- 一方之任
イツパウノニン
一方面をすべ治むるつとめ。
- 一髮
イツパツ
ひとすぢのかみ。
遠山のかすかに橫はるに喩ふ。
- 一髮引千鈞
- 一髮引㆓千鈞㆒
イツパツセンキンヲヒク
一本の髮の毛にて、千鈞の重き物を引く、極めて危急なる喩。
- 一班
イツパン
一くみ、一列の位。
- 一般
イツパン
ひとつ、一様、同様。
通常の義、特殊の對。「一般社會」
すべて、ぜんたい。「天下一般」
- 一帆
イツパン
一つのほ。
- 一半
イツパン
はんぶん、半分。
- 一斑
イツパン
豹の皮の一つのまだら、轉じて一部分の義とす。
- 一飯恩
イツパンノオン
一度飯をふるまはれし少しの恩惠。
- 一飯之德
イツパンノトク
一度の飯をふるまはれし少しのめぐみ。
- 一臂
イツピ
一つのひぢ、我が力となるべき人に喩ふ。
- 一悲一喜
イツピイツキ
或はかなしみ、或はよろこぶ。
- 一匹
イツヒツ
イツピキ
四丈をいふ。
- 一筆
イツピツ
ひとふで。
一つの短き文章。
ヒトフデ
一箇、又、一件の義。「一筆の田地」
- 一筆勾之
- 一筆勾㆑之
イツピツコレヲコウス
ひと筆にて線を引きて除き去る。
- 一百五日
イツピヤクゴジヅ
冬至を去ること、一百五日を寒食といふ、この日火を禁ず。
- 一當百
- 一當㆑百
イツヒヤクニアタル
一人にて百人に敵す。
- 一品
イツピン
一つの品、又、特にすぐれたる品物「天下一品」
支那にて官員の最高の位階。
イツボン
昔、親王の最高の位階。
- 一嚬一笑
イツピンイツセウ
一たび眉をひそめ、一たび笑ふ、喜怒の色にあらはるる義。
- 一貧一富
イツピンイツフ
貧しくなりたり、富みたり。
- 一夫
イツプ
ひとりの男、暴君をいふ。
一人の義。
- 一俯一仰
イツフイツカウ
或は俯し或は仰ぐ。
- 一風流
イツプウリウ
ひとふう變つてゐる、へんくつ、變人。
- 一服
イツプク
一囘に服用すべき分の藥。
- 一幅
イツプク
布帛などのひとはば。
書畫の掛物一つ。=一軸。
- 一夫當關萬夫莫開
- 一夫當㆑關萬夫莫㆑開
イツプクワンニアタレババンプモヒラクナシ
一人が關所を守れば、萬人の者も之を開くこと能はず、極めて險阻の地にいふ。
- 一夫不耕天下受其饑
- 一夫不㆑耕天下受㆓其饑㆒
イツプタガヤサザレバテンカソノキヲウク
後漢書、王符傳に出づ、下に「一婦不㆑織、天下受㆓其寒㆒」
- 一夫多妻
イツプタサイ
ひとりの男が同時に多くの妻を持つ、一妻多夫の對。
- 一餠
イツペイ
ひとかたまり、一片の義。
- 一癖
イツペキ
ひとくせ。