一
- 一言半辭
- イチゲンハンジ
- わづかのことば。=一言半句。
- 一言以蔽之
- 一言以蔽㆑之
- イチゲンモツテコレヲオホフ
- 一言にして全體の意義を言ひ盡す。
- 一元論
- イチゲンロン
- 宇宙の萬象は無限なれども、其の始は唯一なりとする論、二元論・多元論の對。
- 一五一什
- イチゴイチジフ
- 一から十まで、始から終まで、悉く、五一に伍に作る。=一部始終イチブシジユウ
- 一坐
- イチザ
- 同じ席に坐する者、坐は古、座に通ず。=一座。
- 一座
- イチザ
- かみざ。
- 同じ座席=同席。
- 一時
- イチジ
- ひととき、つかのま、當座。
- 其のとき、當時。
- 同じとき、同時。
- 三ヶ月(春秋序疏)
- 一次
- イチジ
- はじめ、最初、一番目。
- いつぺん、一囘、一度。
- 一字行
- イチジカウ
- 眞一文字に進み行く。
- 一食頃
- イチジキキヤウ
- イツシヨクケイ
- 一度食事する閒、轉じて短き時閒、卽ち寸時・片時の義。=一餉時・一茶頃イツサケイ
- 一時賜金
- イチジシキン
- その時限りの下賜金、年金の對。
- 一字千金
- イチジセンキン
- 一字が千金の價にあたる、すぐれたる文字・文章などを稱贊していふ、秦の呂不韋の故事に本づく。
- 一日
- イチジツ
- ひとひ、終日。
- ある日。
- 昨今、一朝一夕。
- 一日暴之十日寒之
- 一日暴㆑之十日寒㆑之
- イチジツコレヲアタタメテジフジツコレヲヒヤス
- 一暴十寒(五頁三段)を見よ。
- 一日三秋
- イチジツサンシウ
- 一日逢はざれば、三秋卽ち九ヶ月も逢はざる心地する、思慕の切なるをいふ。
- 一日千里
- イチジツセンリ
- 日に千里行く駿馬。
- 俊才を駿馬に喩へていふ。
- 一日程
- イチジツテイ
- 一日にて到るべきみちのり。
- 一日縱敵數世之患也
- 一日縱㆑敵數世之患也
- イチジツテキヲユルスハスウセイノウレヒナリ
- 一日たりとも敵をゆるし置くは數世まで患を遺すとの意(左、僖三三)
- 一日二日萬幾
- イチジツニジツバンキ
- 人君の倦怠を戒めたる語、幾は微、事の發動する機をいふ、僅に一日二日の閒に、事幾の來る、萬に至る、故に人君は、戒愼せざるべからず。
- 一日之長
- イチジツノチヤウ
- 少しく年齡の多き義。
- 少しく勝れたる義。
- 一字之師
- イチジノシ
- 五代の時、齊巳の早梅の詩に「前村深雪裏、昨夜數枝開」とありしを、鄭谷評して、數枝は早梅に適せず、一枝とするに如かずと曰ふ、齊巳覺えず下り拜す、世人谷を稱して一字の師といふ、この故事によりて詩文中の一字の穩かならざる文字を改め吳るる人を尊びていふ(五代史補)
- 一字襃貶
- イチジハウヘン
- 春秋の書法、襃むるときは字を稱し、貶するときは名を稱するをいふ。
- 一牀書
- イチジヤウノシヨ
- ひとつのとこの上の書物。
- 一戎衣
- イチジユウイ
- 一たび兵甲を著ける。
- 一樹蔭一河流
- イチジユノカゲイチガノナガレ
- 共に一樹の陰に宿り、一河の流を汲むも、皆これ他生の緣といふ義。
- 一樹百穫
- イチジユヒヤククワク
- 一つ植ゑて百の收穫がある、人物を養成するは大なる利益ある譬。一年之計莫如樹穀(五頁一段)を見よ。
- 一旬
- イチジユン
- 十日閒。
- 一乘
- イチジヨウ
- 乘は如來の敎法、衆生を乘せ運びて生死を出離せしむる意。
- 車一兩をいふ。
- 一仞
- イチジン
- 仞は周の尺にて八尺、一說に四尺、又、七尺。
- 一尋
- イチジン
- ひとひろ、八尺。一說七尺。
- ひとたび尋ねる。
- 一稔
- イチジン
- 穀の一年に一囘みのるに取りて、一年の義とす。
- 一人出兮不容易
- 一人出兮不㆓容易㆒
- イチジンイヅルハヨウイナラズ
- 天子の行幸は容易の事にあらず。
- 一人有慶兆民賴之
- 一人有㆑慶兆民賴㆑之
- イチジンケイアレバテウミンコレニヨル
- 一人は君なり、君の善惡は、萬民の喜憂に關す、故に君の政を爲すは、最も愼むべしとの意(書、呂刑)
- 一舌之任
- イチゼツノニン
- 口舌によりて事を處置する任務。
- 一喘
- イチゼン
- ひとあへぎ、極めて短き時閒、一息。
- 一粟
- イチゾク
- ひとつぶのもみ、微小に喩ふ。
- 一族
- イチゾク
- 同じやから、一つの親族。
- 一存
- イチゾン
- おのれ一人の考。
- 一駄
- イチダ
- 馬一匹だけの荷物、駄は俗字。
- 一朶
- イチダ
- ひとえだ。=一枝。
- ひとむれの雲。
- 一代
- イチダイ
- 一世、人の一生。
- 其の世、其の時代。
- 一代記
- イチダイキ
- 人一代の傳を記したる書。
- 一大劫
- イチダイゴフ
- 住劫・壞劫・空劫・成劫を各一小劫といひ、この四小劫を倂せたる期閒を一大劫とす。
- 一臺二妙
- イチダイニメウ
- 尙書令衞瓘と尙書郞索靖と二人俱に草書を善くす、故に一臺二妙といふ、臺は官省(晉書)
- 一諾千金
- イチダクセンキン
- 然諾を重んずる義。=季諾・金諾。
- 一團
- イチダン
- ひとかたまり。
- 一段
- イツタン
- 古、六十閒をいふ、又、十畝、卽ち三百步。
- イツタン
- ひとくぎりの地。
- イチダン
- ひときは、一層。
- 一彈指
- イチダンシ
- 指を一つはじくだけの極めて短き時閒。
- 一團和氣
- イチダンノワキ
- ひとかたまりの和順の氣。
- 一軸
- イチヂク
- 書畫の掛物を數ふるにいふ。