一
- 一眸
イチボウ
ひと目、眸はひとみ。
- 一木
イチボク
一本の木。
- 一暴十寒
イチボクジツカン
一日暖めて、十日之をひやす、勤むること少く、怠ること多きに喩ふ、暴は曝。
- 一木之枝
イチボクノエダ
一本の樹のえだ。
- 一枚
イチマイ
一箇に同じ、我が國にては紙・板の如き薄き物を數ふるに用ふれども、もと廣く物を數ふるに用ふ。
- 一枚看板
イチマイカンバン
俳優などの特に技術のすぐれたる者が、他と連名にせず、別に一枚の看板に其の名を揭ぐること、轉じて俳優の魁、又は一團隊の長の稱。
- 一毛
イチマウ
ひとすぢの毛。
極めて輕きに喩ふ。
- 一盲引衆盲
- 一盲引㆓衆盲㆒
イチマウシウマウヲヒク
愚者が他の多くの愚者を導きて誤らしむる義。
- 一網打盡
イチマウダジン
異黨の人を一時に捕へ罪するをいふ。
- 一毛不拔
イチマウヌカズ
吝嗇リンシヨクの者を譏る語。前條の孟子の語を見よ。
- 一抹
イチマツ
ひとなすり。
いちまつ
ほんの少し、多少。抹(まつ)はぬる、ぬぐう意。
- 一味
イチミ
食物の味が一樣である。
おなじなかま、味方ミカタ「一味徒黨」
ただ一つの品、多く藥品にいふ。
- 一脈
イチミヤク
ひとすぢ、脈は脈絡の意。
- 一名
イチメイ
別のとなへ。=異名・別稱。
官吏登用試驗に第一番の成績にて及第する、又其の人。
俗語にて一人の義。
- 一命
イチメイ
はじめて士となる、はじめて官を拜命せし義。
一人のいのち「一命を擲つ」
- 一面
イチメン
一方面の略。
一方の義。
一度面會する。
琴・鏡の類の一具をいふ。
- 一面識
イチメンシキ
一度逢ひて顏を見知れる人。
- 一沐
イチモク
ひとたびかみあらふ。史、魯世家に周公が賢を求むるに切なる樣を述べて「一沐三捉㆑髮、一飯三吐㆑哺、起以待㆑士」
- 一目散
イチモクサン
ひとすぢに急ぎて、逸散に同じ。
- 一目十行
イチモクジフギヤウ
書を讀む眼力のするどきをいふ。
- 一目瞭然
イチモクレウゼン
ひとめ見て明かなり。
- 一門
イチモン
みうち、一家、一族、同族。
砲一つをいふ。
- 一文不通
イチモンフツウ
一字を知らざるあきめくら。
- 一樣
イチヤウ
すべておなじさま。
- 一様
イチヤウ
すべておなじさま。
- 一陽來復
イチヤウライフク
冬至の日に至りて、陰氣漸く窮り、一陽初めて生ず、故に冬至をいふ。轉じて事物囘復の運に遇ふ義とす。
- 一躍
イチヤク
ひととび、一足飛び。
- 一夜征人盡望鄕
- 一夜征人盡望㆑鄕
イチヤセイジンコトゴトクキヤウヲノゾム
唐の李益の詩の句、征人は出征の人。
- 一由旬
イチユジユン
由旬は支那里の四十里・八十里・三十里・十六里の諸說あり、大論には大の由旬は八十里、中は、六十里、下は四十里とす。
- 一與一奪
イチヨイチダツ
或時は之を與へ、或時は之を奪ふ。
- 一勞永逸
イチラウエイイツ
僅かの勞力を以て、多年の安樂を得。
- 一樂
イチラク
ひとつのたのしみ。
一樂織は浮織にせる絹織物、和泉の人、土屋一樂の創始。
- 一﨟
イチラフ
年功を積みたる長老。
- 一覽
イチラン
一度みる。
ひと目に見渡す。
簡明にして一見して知るべきもの「一覽表」
- 一覽不忘
- 一覽不㆑忘
イチランワスレズ
一とたび見れば忘れず。
- 一利一害
イチリイチガイ
一つの利益と一つの害と。
- 一里一堠
イチリイツコウ
いちりづか(一里塚)
- 一流
イチリウ
一等に同じ。
他と異りたる一つの流儀。
- 一律
イチリツ
一様の音律。
同じ、一様。
すべて物の變化なき義。「千篇一律」
- 一粒萬倍
イチリフマンバイ
ひとつぶのもみをまけば、萬倍の米となる、一つの善根も多くの佛果を得る喩。
稻の異名。
- 一領
イチリヤウ
甲胄及衣服などの一そろひ。
- 一兩
イチリヤウ
車一つ。=一輛。
古の貨幣の單位、今の圓。
一二。「一兩日」
- 一輛
イチリヤウ
車ひとつ。=一兩。
- 一旅
イチリヨ
周代の制、兵士五百人の稱。「衆一旅」
- 一龍一蛇
イチリヨウイチダ
或は龍となりて、天に昇り、或は蛇となりて池中に潛む、治世には出で、濁世には隱れて善く時と化するに喩ふ。
- 一龍一豬
イチリヨウイツチヨ
學問の有無によりて、甚だしく賢愚の差を生ずるに喩ふ、豬はぶた。
- 一力
イチリヨク
一人の下男。=一僕。
- 一輪月
イチリンノツキ
一つの圓き月。
- 一縷
イチル
ひとすぢのいと、轉じてわづかのつながり。
- 一類
イチルヰ
同一の種類。
なかま、同族。