一
- 一邱一壑
イツキウイチガク
山に棲み、谷に釣りして世外に超然たる義。一本、邱を丘に作る。
- 一裘一葛
イツキウイツカツ
一枚のかはごろもと、一枚のくずかたびら、貧しきくらしにいふ。
- 一丘之貉
イツキウノカク
古今の類を同くするに喩ふ。貉はむじな。
- 一氣呵成
イツキカセイ
ひといきに成しとげる。
- 一掬
イツキク
前條に同じ(=一匊)。
- 一匊
イツキク
兩手にてひとすくひ、匊は掬に同じ。
- 一掬土
イツキクノツチ
兩手にひとすくひの土。
- 一掬淚
イツキクノナミダ
兩手に滿つる程の多くの淚。
- 一騎當千
イツキタウセン
一人の騎士にて千人に敵するに足る、勇者を形容する語。=一人當千。
- 一機軸
イツキヂク
一種の新らしき工夫。=新機軸。
- 一饋而十起
イツキニシテジフキ
一飯の閒に十たび起つ、夏の禹王が民を慰めいたはりし故事。
- 一吸
イツキフ
ひといき、又、ひとのみ。
- 一匡
イツキヤウ
天下をただし治む。
- 一郷之善士
イツキヤウノゼンシ
一郷中の善良の士。
- 一噱
イツキヤク
一とたび大笑す。
- 一弓
イツキユウ
土地の丈量にて八尺の稱。一說に七尺二寸。
射侯の距離にて六尺の稱。
- 一炬
イツキヨ
ひとつのかがりび。
- 一去
イツキヨ
ひとたび去る。
- 一擧
イツキヨ
一度事を擧ぐる。
一たび動きて、ひといきに。
- 一虛一實
イツキヨイチジツ
乍ち空しく、乍ち有り、出沒變化測り難き義。
- 一擧一動
イツキヨイチドウ
一度手を擧げ、一度身を動かす、ちよつとしたる動作。
- 一去一來
イツキヨイチライ
或は往き、或は來る。=一來一去。
- 一曲
イツキヨク
ひとつの水のくま、曲は隈。
音樂のひとくさり。
ひとまがり。
一方のすみ、全體に通ぜざるにいふ。
- 一局
イツキヨク
一ばんの圍棊。
ごばん一面。
- 一局棊
イツキヨクノキ
一面のごばん。
一ばんの圍棊。
- 一擧手一投足
イツキヨシユイツトウソク
極めて少しばかりのほねをり。
- 一擧兩得
イツキヨリヤウトク
一度事を行ひて兩様の利を得る。
- 一金
イツキン
一鎰(二十四兩)又、一斤をいふ。
- 一鈞
イツキン
鈞は三十斤。
三十斤。
- 一斤
イツキン
十六兩の目方。
- 一琴一鶴
イツキンイツカク
一張の琴と、一羽の鶴と、官吏の淸廉なる義に用ふ。
- 一軀
イツク
佛像一體の稱。
- 一區
イツク
ひとくぎりの地。
- 一空
イツクウ
すべて空し。
- 一顆
イツクワ
ひとつぶ、圓きもの、珠・果實などにいふ。
- 一過
イツクワ
一とたび目をとほす。
一度其の地によぎる。
- 一囘
イツクワイ
ひとたび、一度。
- 一晦一明
イツクワイイチメイ
夜と晝とくらくなつたり、あかるくなつたり。
- 一囘忌
イツクワイキ
人死して一周年の忌日。=一周忌。
- 一塊土
イツクワイド
ひとかたまりの土。
- 一塊肉
イツクワイニク
血統を承けたるひとかたまりの肉、ただ一人のみ殘れる子孫。
- 一攫千金
イツクワクセンキン
一つかみに千金の利益を得る、ぬれてで粟。
- 一括
イツクワツ
ひとくくり、一つにくくる。
- 一貫
イツクワン
一理を以て萬事を貫通す。
終始志を變へず。「至誠一貫」
ひとしき義。=一齊。
目方千匁、又、古、錢一千文。
- 一醺
イツクン
ちよつと酒に醉ふ。
- 一薰一蕕十年尙猶有臭
- 一薰一蕕十年尙猶有㆑臭
イツクンイチイウジフネンナホシウアリ
晉の獻公の卜人の言、薰は香草、蕕は臭草、十年有㆑臭とは善の消え易く、惡の除き難きをいふ(左、僖四)
- 一契
イツケイ
ひとつのわりふ。
- 一頃
イツケイ
百畝をいふ。
- 一系
イツケイ
一つのちすぢ。「萬世一系」
- 一經
イツケイ
一つの經書。