一
- 一莖九穗
イツケイキウスヰ
一本のくきより九つの穗を生ずる。
- 一經博士
イツケイハカセ
一經專門の博士。
- 一決
イツケツ
直ちにきつぱりと決斷する。
- 一闋
イツケツ
音樂の一曲終りたる義。
- 一蹶
イツケツ
ひとたびつまづく。
- 一篋
イツケフ
一つのはこ。
- 一見
イツケン
一度見る。
一度面會する。
- 一傔
イツケン
一人のしもべ。
- 一劍
イツケン
一口のつるぎ。
- 一拳
イツケン
一つのこぶし、石の形容とす。
- 一件
イツケン
一つの事柄。
- 一賢
イツケン
一人のかしこき者。
- 一犬吠形百犬吠聲
- 一犬吠㆑形百犬吠㆑聲
イツケンカタチニホユレバヒヤクケンコヱニホユ
一犬物形を見て吠ゆれば、百犬其の聲を聞きて皆吠ゆ、一人虛言を傳ふれば、衆人實事として之を傳ふるに喩ふ。
- 一見如舊
- 一見如㆑舊
イツケンキウノゴトシ
一度相見て、舊知フルナジミの如く親む。
- 一卷石
イツケンセキ
ひとかたまりの石、卷は區。後世は卷を拳に作る。
- 一劍之任
イツケンノニン
一つの劍をたのみとする。
- 一顧
イツコ
ひとたびかへりみる。
- 一己
イツコ
自分ひとり。
- 一鼓
イツコ
進軍の時、初めにひとたび鼓をうつ。
- 一壺
イツコ
一つのつぼ。
一つのふくべ。
- 一口
イツコウ
同じ一つの口。
釜・鼎などの一つ。
刀劍一つ。
人ひとり。
- 一興
イツコウ
ひとたびおこる。
イツキヨウ
ひとつの面白きこと。
- 一鉤
イツコウ
一つのかぎ、新月などの形容。
- 一狐裘三十年
イツコキウサンジフネン
一枚の狐のかはごろもを三十年著用する、齊の晏嬰の故事。
- 一哭
イツコク
ひとたびなく。
- 一國三公
イツコクサンコウ
一國に三人の主權者あるをいふ。
- 一刻千金
イツコクセンキン
一刻が千金にもあたる程の樂しき時期。
- 一穀不登
- 一穀不㆑登
イツコクミノラズ
一種の穀物がみのらず。
- 一國者
イツコクモノ
かたくななる者、一國以外の事を知らざる頑固の人。
- 一呼再諾
イツコサイダク
はいはいと二つ返事する、奴隸が主人の命に應ずることの唯謹めるにいふ。
- 一顧傾城
- 一顧傾㆑城
イツコシロヲカタムク
すぐれたる美人を形容す。
- 一忽
イツコツ
極めて微小の度。
- 一笏
イツコツ
笏シヤクの長さ二尺六寸、轉じて狹き土地の稱。
- 一壺天
イツコテン
小天地、又別世界の義。=壺中之天。
- 一狐之腋
イツコノエキ
一匹の狐のわきのしたの白く美くしき毛、少くして貴きものに喩ふ。
- 一捆
イツコン
ひとしめ。
- 一獻
イツコン
盃を一つさす。
- 一痕
イツコン
ひとつのあと、月などにいふ。
- 一綑紙
イツコンシ
一嗹の洋紙、綑は捆、嗹は五百枚。
- 一切
イツサイ
ことごとく、すべて。
- 一妻一妾
イツサイイツセフ
一人の妻と、一人のめかけと。
- 一再行
イツサイカウ
一兩度事をする。
- 一歲九遷
イツサイキウセン
一年の閒に九度官位の進むをいふ。
- 一切藏經
イツサイザウキヤウ
佛經の總名、經・律・論の三藏の稱、略して一切經といふ、我邦にては、宇治の黄蘗寺の刻本あり、之を蘖藏本といふ。
- 一切衆生
イツサイシユジヤウ
地獄・餓鬼・畜生・修羅・人閒・天上の六道にある、一切の生命ある者、世の中のすべての人。
- 一歲所
イツサイシヨ
一年ほど、所は助字、許と同義。
- 一妻多夫
イツサイタフ
一人の婦人が同時に多くの夫を持つ、西藏・印度の一部に此風行はる。
- 一壯
イツサウ
炙ひとひ。
- 一窗
イツサウ
一つのまど。
- 一雙
イツサウ
二つにて一組となるもの、一對。