一
- 一掃
イツサウ
さっぱりとはらひ淸める。
- 一茶頃
イツサケイ
一椀の茶を飮む程の短き閒。
- 一札
イツサツ
一枚のかきもの。
- 一撮土
イツサツド
ひとつまみの少しの土。
- 一蓑雨
イツサノアメ
みのを濕すほどのこさめ。
- 一匝
イツサフ
ひとめぐり、匝は帀・迊に同じ。=一周。
- 一粲
イツサン
粲は鮮明なり、白き齒を出して笑ふをいふ、一笑に同じ。自作の詩文などを御笑ひ草に供ふるといふに「博㆓一粲㆒」と書く。
- 一盞茶時
イツサンサジ
一椀の茶を飮む程の少しの時閒の義。=一茶頃。
- 一三昧
イツサンマイ
一心をこめて事をする。三昧(三四頁四段)を見よ。
- 一子
イツシ
ひとりご、又、多くの子の中の一人。
- 一枝
いっし
ひとえだ。
- 一巵
イツシ
一つのさかづき。
- 一死
イツシ
ひとたび死ぬ。
一は死することを强めていふ。
- 一絲一毫
イツシイチガウ
極めて少しの意。=一毫一絲。
- 一週
イツシウ
一周に同じ。
日月火水木金土の七曜日。=禮拜・一星期。
- 一周
イツシウ
ひとめぐり。
- 一周忌
イツシウキ
一囘忌に同じ。=小祥忌。
- 一式
イツシキ
ひとそろひ、のこらず、いつさい。
- 一子相傳
イツシサウデン
學術技藝などの奧儀を己の子の中の一人に傳授して他にもらさざること。
- 一視同仁
イツシドウジン
人類も禽獸も平等に愛すること。
- 一資半級
イツシハンキフ
少しの官位。=一階半級。
- 一紙半錢
イツシハンセン
一枚の紙と半文の錢と。
- 一襲
イツシフ
ひとかさね、上の衣と下の裳との具はれる服。
- 一舍
イツシヤ
三十里。
- 一生
イツシヤウ
イツセイ
生れてより死するまでの閒。=生涯・一生涯。
イツセイ
一人の書生。後漢書、段翳傳「有㆓一生㆒來學」
- 一章
イツシヤウ
詩文のひときり。
一篇に同じ。
- 一餉
イツシヤウ
一度飯を食ふ程の短き閒。餉は晌に通ず。=一餉時・一食頃イチジキキヤウ
- 一觴一詠
イツシヤウイチエイ
酒を飮みつつ詩を吟じて樂む、觴は、さかづき。
- 一生懸命
イツシヤウケンメイ
命がけにて事をする、一所懸命の誤。
- 一將功成萬骨枯
イツシヤウコウナリテバンコツカル
一人の大將が功名を成すは、萬人の兵卒が命を捨てたる結果なりといふ慷慨の語。
- 一倡三歎
イツシヤウサンタン
一人歌を唱へて三人歎美して之を和す、音樂の玄妙なるをほめる語。轉じて詩文をほめるにも用ふ、倡は唱に同じ、一又壹に作る。
- 一裝束
イツシヤウゾク
甲胄の五品、卽ちこて・はいだて・かぶと・はちまき・すねあての總稱。
- 一勺
イツシヤク
ひとすくひ。
一合の十分の一の稱。
- 一灼之火
イツシヤクノヒ
ひともえのかすかなる火。
- 一瀉千里
イツシヤセンリ
河水の一瀉して千里を走る如く、筆力・辯舌などの奔放快利なるに喩ふ。
- 一首
イツシユ
一篇に同じ。
- 一株
イツシユ
草木のひとかぶ。
- 一銖
イツシユ
一黍を見よ。
- 一炷
イツシユ
ひとつの燈心、又ひとくゆりの香。
- 一終
イツシユウ
十二年をいふ。歲星十二年にして一周し終る故。
- 一宿
イツシユク
ひとばんどまり。
一夜をいふ。
- 一手獨拍雖疾無聲
- 一手獨拍雖㆑疾無㆑聲
イツシユヒトリウテバハヤシトイヘドモコヱナシ
片手のみにては如何に疾くうつとも聲なきが如く、國家も君臣相須たずんば、聲譽を擧ぐる能はざるに喩ふ(韓非、功名)
- 一瞬
イツシユン
ひとまたたき、極めて短き時閒。
ひと目に見る。
- 一瞬千里
イツシユンセンリ
ひとめにて千里の遠景を見わたす。
- 一黍
イツシヨ
最少の目方、きび一粒の重量。
- 一緒
イツシヨ
緒は絲すぢ、一とすぢ。
共に、ひとまとめ、合一する。
- 一曙
イツシヨ
一旦に同じ。
- 一色
イツシヨク
同じ色。
ヒトイロ
ひととほり、一種。
- 一食萬錢
イツシヨクバンセン
一度の食事に、一萬錢を費す、奢りの甚だしきをいふ。
- 一所懸命
イツシヨケンメイ
一箇所の領地を命にかけて守る、轉じて、いのちがけ、けんめい、一所を一生と書くは非。=必死。