一
- 一所不住
イツシヨフヂユウ
一つ所に定住せず、居所を定めざる行脚僧などの境遇をいふ。
- 一審
イツシン
或る事件の繫屬せる最初の裁判所にて事實及び法律の裁判をすること。
- 一心
イツシン
ひとすぢの心、專一なる心。「一心不亂」=專心。
衆くの人が心を一つにする。=同心。
多くの外物に對して單に心の稱。
- 一新
イツシン
ひとたびあらたまる、全く新らしくなる。
- 一身
イツシン
おのれひとり。
ひとりのからだ。
- 一針
イツシン
一つのはり。=一鍼イツシン
- 一進一退
イツシンイツタイ
或は進み、或は退く。
- 一神敎
イツシンケウ
宇宙を主宰する全智全能の唯一神に事ふるを敎義とする宗敎、基督敎キリストケウの類、多神敎の對。
- 一心三觀
イツシンサンクワン
天台宗に說く所の法門にて、我一心を捉へて、空なり假なり中なりと觀ずる法。
- 一身都是膽
イツシンスベテコレタン
全身に膽力の充つるをいふ、膽の極めて大なる義。
- 一心不亂
イツシンフラン
心を專らにして亂すことなし。
- 一心可以事百君
- 一心可㆔以事㆓百君㆒
イツシンモツテヒヤククンニツカフベシ
人は一の誠心あらば、百人の君にも仕ふることを得。
- 一醉千日
イツスヰセンニチ
酒の極めてよきものにいふ。
- 一炊之夢
イツスヰノユメ
盧生が、一度飯を炊ぐ閒のゆめ、人生の恃み難く榮華のはかなき形容にいふ。=黄粱一炊・邯鄲之夢・盧生之夢。
いっすいのゆめ
人生の栄華や富貴のはかなさを例えた言葉。
- 一寸光陰不可輕
- 一寸光陰不㆑可㆑輕
イツスンノクワウインカロンズベカラズ
少しの時閒も徒に過すべからず。
- 一寸法師
イツスンボフシ
せいのひくき人を罵る語。=侏儒。
- 一齊
イツセイ
ひとそろひ。=平等・一律。
いちどに。
- 一成
イツセイ
方十里の地。
- 一眚
イツセイ
一時のあやまち。
- 一世
イツセイ
一代に同じ。
三十年。
其の世、其の時代。
- 一世一代
イツセイイチダイ
一生涯。
藝人などが一生涯にてこれを限りと得意の藝を演ずること。
- 一盛一衰
イツセイイツスヰ
盛んなる時あれば、衰ふる時ある義。
- 一世紀
イツセイキ
西曆年代の區劃、百年の稱、卽ち第一世紀は紀元元年より百年まで。
- 一齊射擊
イツセイシヤゲキ
一部隊が同時にひとしく敵を射擊する。
- 一世冠
イツセイノクワン
一代のかしら。
- 一靑螺
イツセイラ
一つの靑山。
- 一宵
イツセウ
一夕に同じ。
- 一夕
イツセキ
ひとばん。
ある夜。
- 一石
イツセキ
目方の名、四鈞をいふ。(一鈞は三十斤)
ます目の名、十斗をいふ。我國にてコクと讀むは斛の借音。
- 一隻
イツセキ
船または鳥一つをいふ。
一雙あるものの一つ。
- 一昔
イツセキ
ひとばん。=一夜・一夕。
- 一隻眼
イツセキガン
ひとつのまなこ。
人に異りたる見識。
- 一尺布尙可縫
- 一尺布尙可㆑縫
イツセキノヌノナホヌフベシ
一斗粟尙可舂を見よ。
- 一節
イツセツ
一貫せるみさを。
一つの信を明かにするしるし。
- 一說
イツセツ
ひとつの說、ある說。
イチゼイ
一たびすすめ說く。
- 一殺多生
イツセツタシヤウ
一人を殺して多くの人を助くること。
- 一刹那
イツセツナ
極めて短き時閒。
- 一霎雨
イツセフウ
ひとふりの小雨。轉じてひとしぐれ程の短時を一霎時、又、霎時・一霎といふ。
- 一戰
イツセン
一度戰ふ。
- 一洗
イツセン
さつぱりとあらひすすぐ。
一度洗ふ。
- 一簇
イツソウ
ひとむれ。
- 一叢
イツソウ
ひとむら。
- 一宗
イツソウ
一族に同じ。
- 一層
イツソウ
ひときは、一段。
いっそう
ひと重ね。ひときわ。
- 一束
イツソク
ひとたば。
- 一則
イツソク
一ヶ條の義、もと佛書に用ふ、後には儒書にも用ふ。
- 一息
イツソク
ひとやすみ、暫く休む。=一憩。
ひといき、一呼吸。
- 一尊
イツソン
- 一樽
イツソン
ひとたる。=一罇・一尊。
- 一罇
イツソン