三
- 三冬文史
サントウブンシ
貧者は冬の三ヶ月の農事の暇に讀書する義。
- 三統曆
サントウレキ
夏・殷・周三代王者の作りし曆に本づきて前漢の孝成帝の時、劉歆の作りたるこよみ(宋書、曆志序)
- 三德
サントク
正直・剛克・柔克の稱、克は治なり、剛克は剛を以て柔を治むるなり(書、洪範)
知・仁・勇。=三達德。
天・地・人の德(大戴禮、大代)
法身(佛の悟りの本體)般若ハンニャ(迷を出でたる佛の妙智)解脫ゲダツ(自在无礙の妙德)をいふ。
- 三毒
サンドク
貪慾・嗔恚・愚癡。=三毒霧。
- 三斗塵
サンドノチリ
多くの塵、三斗は多量の義。
- 三都賦
サントノフ
晉の左思の蜀都賦・吳都賦・魏都賦。文選の賦類に出づ。
- 三人一龍
サンニンイチリヨウ
三人の親友に喩ふ。
- 三人行必有我師
- 三人行必有㆓我師㆒
サンニンオコナヘバカナラズワガシアリ
三人同じく事を行ふ、其の一人は我なり、他の善を見て之に從ひ、他の惡を見て自ら戒む、故に皆我師なりといふ。
- 三人證龜作鼈
- 三人證㆑龜作㆑鼈
サンニンカメヲシヨウシテスツポントナス
定相なきことをいふ(傳燈錄)
- 三人成市虎
- 三人成㆓市虎㆒
サンニンシコヲナス
無根の事も說く者衆ければ、人之を信じて實となす義。
- 三年通一經
- 三年通㆓一經㆒
サンネンイツケイニツウズ
三年の閒勉めて一部の經書に通ず。
- 三年不窺園
- 三年不㆑窺㆑園
サンネンヱンヲウカガハズ
一室に閉居して苦學するにいふ、漢の董仲舒の故事。
- 三年耕必有一年之食
- 三年耕必有㆓一年之食㆒
サンネンタガヤセバカナラズイチネンノシアリ
三年耕作に勤むるときは一年閒の食料を蓄ふることを得る。
- 三年無改於父之道可謂孝矣
- 三年無㆑改㆓於父之道㆒可㆑謂㆑孝矣
サンネンチチノミチヲアラタムルコトナキカウトイフベシ
孔子の語、父の生前、行ひたる事を久しき閒改めざるは、父を死せりとするに忍びざる至情に由ることなれば孝といふべし(論、學而)
- 三年不飛
- 三年不㆑飛
サンネントバズ
有爲の志をいだきて、久しく何事も爲さざるに喩ふ(史、滑稽傳)一鳴驚人ヒトタビナカバヒトヲオドロカスを見よ。
- 三年有成
- 三年有㆑成
サンネンニシテナスアリ
我を用ひて國を治めしむる者あらば、三年にして治功を成就せんとの義。
- 三年之喪
サンネンノモ
父母の喪。三年之喪は、二十五ヶ月にて畢る。
- 三農
サンノウ
平地と山と澤との農。
春耕・夏耘・秋收をいふ。
- 三巴
サンパ
巴郡・巴東・巴西。
- 三杯
サンバイ
- 三盃酢
サンバイズ
味醂(或は酒)と醬油と酢とを各一盃、卽ち當分に盛りたるもの。
- 三寶
サンバウ
佛・法・僧。
耳・目・口。
慈と儉と、天下の先とならざると。
大農・大工・大商。
土地・人民・政事。(紺珠)
- 三忘
サンバウ
將士たるべき者の忘るべき三事。
- 三寶鳥
サンバウテウ
佛法僧の異名、深山に棲む、鳩に似たる鳥。
- 三版
サンパン
二丈四尺、一版は八尺。
- 三碑
サンピ
三つの名高きいしぶみ。陸前多賀城碑・上野多胡碑・下野那須國造碑。
- 三筆
サンピツ
書に巧なる三人、嵯峨天皇・橘逸勢ハヤナリ・僧空海。
- 三白食
サンビヤクジキ
僧の食ふ三つの白き食物、乳・酪・飯(十一面呪心經)
- 三賦
サンプ
古の租・庸・調の三稅。
- 三府
サンプ
東京府・京都府・大阪府。=三都。
- 三風十愆
サンプウジツケン
風は風習、愆は罪過アヤマチ三風は愆の綱、十愆は風の目。十愆は、恆舞・酣歌・殉㆑貨・殉㆑色・恆遊・恆畋・侮㆓聖言㆒、逆㆓忠直㆒、遠㆓耆德㆒、比㆓頑童㆒なり。
- 三不幸
サンフカウ
少年にして高科に登ると、父兄の勢によりて美官となると、高才ありて文章を能くするとをいふ、宋の程頤の語。
- 三不朽
サンフキウ
不朽を見よ。
- 三部經
サンブキヤウ
無量壽經・觀無量壽經・阿彌陀經。
大日經・金剛經・蘇悉地經。
仁王經・金光明經・法華經。
- 三奉行
サンブギヤウ
德川時代の寺社奉行・勘定奉行・町奉行。
- 三不去
サンフキヨ
妻を去るまじき三條。
- 三伏
サンプク
夏の最も暑き日、土用、夏至の後第三庚を初伏とし、第四庚を中伏とし、立秋の後初庚を末伏とす、夏は火氣なり、秋は金氣なり、金氣伏藏の義(史、秦紀注)=三庚・伏日。
- 三復
サンプク
いくたびも繰りかへす。
- 三幅對
サンプクツヰ
三つ竝べて掛ける様に作りし軸もの、轉じて、物の三つにて一組になるもの。
- 三福田
サンフクデン
福德を生ずる三つの善行、田とは田の收穫に譬ふ、敬田・恩田・悲田。又、報恩福田(父母師長を敬ふ)功德福田(佛法僧の三寶を敬ふ)貧窮福田(貧苦の人を慈む)(優婆塞戒經)
- 三不祥
サンフシヤウ
國の三つの不吉なること、祥は吉。
己の爲めにならざる凶德。
- 三部抄
サンブセウ
歸命本願抄・西要抄・父子相迎抄。=三部假名抄。
- 三物
サンブツ
六德(智仁聖義忠和)六行(孝友睦婣任恤)六藝(禮樂射御書數)をいふ。
盟約を結ぶ時にすする血を取る三つの動物、犬・豕・雞、君は豕を以てし、臣は犬を以てし、民は雞を以てす。
- 三釜之養
サンプノヤシナヒ
釜は六斗四升(我國の五升七合餘)親在すときは薄祿を厭はずして孝養すべきをいふ。
- 三不惑
サンフワク
飮酒・女色・貨財の三欲に惑はざるをいふ。後漢の楊秉の語。
- 三墳五典
サンプンゴテン
三墳は三皇の書、五典は五帝の書。
- 三分鼎足
サンブンテイソク
地を三分して、鼎の足の如く竝び立つ。
- 三廟
サンベウ
大夫のおたまや、一昭・一穆と、太祖の廟と。
- 三苗
サンベウ
堯舜時代に、江淮荆州に據りし蠻族の名、四凶の一。
- 三辟
サンペキ
夏・商・周三代の刑法、辟はつみ。