五
- 五袴
ゴコ
前條（五絝）を見よ。
- 五絝
- ゴコ
- 絝は袴に通ず、はかまの類、五つの袴とは、人民の富むをいふ。
- 五古
- ゴコ
- 詩の一體、一句五言の古詩。句數は長短の制限なし。
- 五羖
- ゴコ
- 五つの牡羊ヲヒツジ
- 五庫
- ゴコ
- 車庫・兵庫・祭器庫・樂庫・宴器庫（禮、月令）
- 五鈷
- ゴコ
- 眞言宗の佛具、金剛杵の頭の五箇あるもの、單頭のものを獨鈷、三頭のを三鈷といふ、もと印度の護身用武器、煩惱ボンナウを破る意にて佛具となる。
- 五溝
- ゴコウ
- 五つのみぞなり。
- 五侯
- ゴコウ
- 前漢の成帝の時の五諸侯。
後漢の桓帝の時の五諸侯。
- 五侯鯖
- ゴコウセイ
- 非常の珍味、よせなべ。鯖は𦙫に同じ、魚を煮、肉を煎るをいふ。=侯鯖。
- 五穀
- ゴコク
- 稻・黍キビ稷アハ麥ムギ・菽マメ（周禮、職方氏）麻・黍・稷・麥・豆（漢書、食貨志、注）
- 五胡十六國
- ゴコジフロクコク
- 種族五にして其の國十六あり、五胡は匈奴・氐・羗・羯・鮮卑。十六國は、漢（前趙）成漢・後趙・前涼・前燕・前秦・後燕・後秦・西秦・後涼・南燕・西涼・南涼・北涼・大夏・北燕。
- 五言
- ゴゴン
- 五言の句、四句二十字よりなれる詩を五言絶句、又、略して五絶といひ、八句四十字よりなれるを五言律、又、五律といひ、句數に制限なきを五言古詩、又、五古といふ。
- 五根
- ゴコン
- 信・勤ゴン念・定・慧の五法、能く他の一切の善法を生ずる本なればいふ。
- ごこん
- 五の感覚器官。眼、耳、鼻、舌、身。
- 悟りに至る五法。信、勤（精進）、念、定、慧。
- 五言金城
- ゴゴンキンジヤウ
- 次條（五言長城）に同じ、金城は堅固なる城の義。
- 五言長城
- ゴゴンノチヤウジヤウ
- 五言の詩に巧にして常人の企及すべからざるに喩ふ、長城は萬里の長城、唐の劉長卿の故事。
- 五綵
- ゴサイ
- 五采に同じ。
- 五采
- ゴサイ
- 靑・黄・赤・白・黑。=五色・五彩・五綵。
- 五彩
- ゴサイ
- 五采に同じ。
- 五倉
- ゴサウ
- 五臟をいふ。
- 五臟
- ゴザウ
- 肺臟・心臟・脾臟・肝贓・腎臟。=五藏・五倉。
- 五藏
- ゴザウ
- 次條（五臟）に同じ。
- 五雜俎
- ゴザツソ
- 十六卷、明の謝肇淛（字は在杭）撰す、天・地・人・物・事の五類に分ちて雜記す、和版あり。
- 五山
- ゴザン
- 五つの寺。
- 祇園精舍・竹林精舍・大林精舍・誓多精舍・那蘭陀寺（以上印度）
經山寺・育王寺・天童寺・靈隱寺・淨慈寺、又、景愛寺・護念寺・檀林寺・惠林寺・通玄寺（以上支那）
天龍寺・相國寺・建仁寺・東福寺・萬壽寺（以上京都）
建長寺・圓覺寺・壽福寺・淨智寺・淨妙寺（以上鎌倉）
東海中に在りて神仙の住むといふ五つの山、岱輿・員嶠・方壺・瀛洲・蓬萊（列、湯問）
五嶽に同じ。
- 五事
- ゴジ
- 貌・言・視・聽・思。
- 兵事の要五つ。
- 五祀
- ゴシ
- 一年閒に行ふ五つの祭。春は戶、夏は竈、秋は門、冬は行ミチ季夏は中霤チユウリウを祀る（禮、月令）白虎通には行を井に作る。
- 五臭
- ゴシウ
- 五つの臭。羶ニクノクサミ焦キナクサシ香・腥ナマグサシ朽（禮、月令）
- 五つの臭氣ある草木。
- 五色
- ゴシキ
- 靑・黄・赤・白・黑。
- 五色無主
- 五色無㆑主
- ゴシキシユナシ
- 恐懼すること甚しく、顏色定まらず。
- 五時敎
- ゴジケウ
- 天台宗にて釋迦の一生を五期に分け、其の說きし經典によりて區別せし名稱。第一期華嚴ケゴン時・第二期阿含時・第三期方等時・第四期般若ハンニヤ時・第五期法華涅槃ネハン時。
- 五日一風十日一雨
- ゴジツイツプウジフジツイチウ
- 五風十雨（八六頁一段）を見よ。
- 五十步百步
- ゴジツポヒヤクポ
- 少しの差にて大體同じき義。
- 五十三驛
- ゴジフサンエキ
- 五十三の宿驛。
- 江戶日本橋より京都三條大橋に至る閒にありし五十三の宿驛、大津より品川に至る東海道の宿場。=五十三次ゴジフサンツギ五十三亭（翠雨軒詩話）
- 五十而知四十九年非
- 五十而知㆓四十九年非㆒
- ゴジフニシテシジフクネンノヒヲシル
- 今年始めて前年の非を知り得たりとの義。
- 五舍
- ゴシヤ
- 古、宮城内に在りし女御・更衣の居所、昭陽舍（梨壺）淑景舍シゲイシヤ（桐壺）飛香舍ヒギヤウシヤ（藤壺）凝華舍（梅壺）襲芳舍（雷鳴壺カンナリノツボ）
- 五車韻瑞
- ゴシヤインズヰ
- 百六十卷、明の凌稚隆編す、此書は、經・史・子・集・賦の五部に分ち、毎部、二字三字四字の熟字を列し、一一其の出典を明かにす。
- 五常
- ゴジヤウ
- 仁・義・禮・智・信（白虎通）
- 五典に同じ。五典參看。
- 五障罪
- ゴシヤウザイ
- 女人は罪業深くして、梵天王・帝釋天・魔王・轉輪聖王・佛身と成るにさはりありといふ因緣。
- 五城十二樓
- ゴジヤウジフニロウ
- 神仙の居所。
- 天上の白玉京に在りといふ城樓。
- 五爵
- ゴシヤク
- 五つの位、公・侯・伯・子・男。
- 五車之書
- ゴシヤノシヨ
- 車五輛に載すべき程の書册、藏書の多きをいふ。=二酉。
- 五趣
- ゴシユ
- 天・人・地獄・畜生・餓鬼。=五道。
- 五種
- ゴシユ
- 黍・稷・菽・麥・稻（周禮、職方氏、注）=五穀。
- 五戎
- ゴジユウ
- 弓矢・殳・矛・戈・戟。=五兵。
- 五種の軍用車。
- 五銖錢
- ゴシユセン
- 重さ五銖ある錢の名。
- 五出
- ゴシユツ
- 草木の花は其の葩ハナビラ多く五出するをいふ。
- 五刃
- ゴジン
- 五種の兵器、刀・劍・矛・戟・矢。
- 五辛
- ゴシン
- 菲ニラ薤ラツキヤウ葱・蒜ニンニク薑ハジカミ
- 五辛盤
- ゴシンバン
- 五種の辛カラき物を盤に盛り、元旦に之を食すれば、五臟の氣を通じ、健康を保つといふ。
- 五瑞
- ゴズヰ
- 天子より五等の諸侯に頒ち賜ふわりふのたま、公は桓圭、侯は信圭、伯は躬圭、子は穀璧、男は蒲璧（書、舜典）
- 五衰
- ゴスイ
- 天人の死する時、現はすといふ五つの死相、身光不現・華鬘萎顇・兩腋汗流・體便臭穢・不樂本座（祖庭事苑）