五
- 五寸之鍵制開闔之門
- 五寸之鍵制㆓開闔之門㆒
ゴスンノカギニシテカイカフノモンヲセイス
微小の者も、要路に立つときは、其の勢力の及ぶ所ろ廣大なるに喩ふ。
- 五聲
ゴセイ
五音に同じ(書、舜典、疏)
- 五性
ゴセイ
人の五つの性情をいふ。
- 五星
ゴセイ
木(東方歲星)火(南方熒惑星)金(西方太白星)水(北方辰星)土(中央鎭星)
- 五牲
ゴセイ
五つのいけにへ。麋・鹿・麏・狼・兔。
牛・羊・豕・犬・雞。
- 五世而斬
ゴセイニシテタユ
斬は截、絶え盡くる。
- 五尺之童
ゴセキノドウ
小兒をいふ、周の制、八寸を一尺とし、十尺を一丈とす、故に大人を丈夫といひ、小兒を五尺之童といふ。
- 五節會
ゴセチヱ
古、宮中にて行はれたる五つの節句。正月の元旦・白馬アヲウマ(正月七日)踏歌タフカ(正月十五・六日)端午・豐明トヨノアカリ(新嘗會の翌日)の五つの節會。
- 五絶
ゴゼツ
詩の一體、五言絶句の略。
絶句五首。
虞世南の人に絶する五つの事。
- 五節句
ゴセツク
陰曆にて一年中五つの祝日、正月七日の人日・三月三日の上巳・五月五日の端午・七月七日の七夕・九月九日の重陽。
- 五攝家
ゴセツケ
攝政職に任じ得べき五つの家柄、卽ち近衞・九條・二條・一條・鷹司。
- 五善
ゴゼン
弓を射るに五つの善きこと。
軍國の五つの善き道。
- 五千言
ゴセンゲン
史、老子傳に老子書上下篇を著し道德の意を言ふ五千餘言とあるによりて、老子の道德經をいふ、言は字なり。=五千文。
- 五千上慢
ゴセンノジヤウマン
釋尊、法華を說かんとし給ひしとき、增上慢の心を抱ける五千人の比丘曰ふ、我等旣に妙果を悟れり、何ぞ、法華を聞く要あらんとて、座を立ちて去りしをいふ、增上慢とは、すでに增上の法を得たりとて、慢心を抱くをいふ(法華經、方便品)
- 五宗
ゴソウ
高祖・曾祖父・祖父・子・孫。史、
- 五層
ゴソウ
いつかさなり、層は重屋なり、=五階。
- 五總龜
ゴソウキ
人の博識を稱す。
- 五俗
ゴゾク
詩の五つの俗習。
- 五蛇
ゴダ
五匹のへび、晉の文公に從ひ天下を周流せし狐偃・趙衰・魏武子・司空季子・介子推の五人に比す。
- 五代
ゴダイ
唐・虞・夏・商(殷)・周(孔安國、尙書序)
黄帝・堯・舜・禹・湯(禮、祭法、注)
唐の後に起りし、後梁・後唐・後晉・後漢・後周。=五季。
- 五内
ゴダイ
ゴナイ
肝・心・脾・肺・腎。
- 五體
ゴタイ
筋・脈・肉・骨・毛皮。
頭・兩手・兩足。
全身の義とす。=四體。
- 五大
ゴダイ
天・地・君・親・師の稱。
五塵より生ずる地・水・火・風・空の五つの稱。
- 五代史
ゴダイシ
書名、新舊二種あり、舊五代史は宋の太宗の時、薛居正等に敕して梁唐晉漢周各代の歷史を編修せしめたるものを後人總括して五代史と稱す、其の後、宋の歐陽修、舊史を改修して五代史記(七十五卷)を作りたるを俗に新五代史と稱す。
- 五大州
ゴダイシウ
全世界の陸地を五つに區分せし稱。亞細亞・亞非利加・歐羅巴・亞米利加・濠太刺利。=五大陸。
- 五大尊
ゴダイソン
不動・降三世・軍荼利・大威德・金剛夜叉の五大明王。
五壇の御修法ミシホとは、壇を五つ作りて五大尊を安置し、法を修するをいふ。
- 五大夫
ゴタイフ
松の異名、秦の始皇泰山に上り、風雨暴に至り、松樹の下に休ふ、因りて其の樹を封じて五大夫(秦の爵名)となしたる故事に本づく。
- 五大老
ゴタイラウ
豐臣秀吉の置きたる五人の大老、五奉行の上に位す、卽ち德川家康・前田利家・浮田秀家・上杉景勝・毛利輝元。
- 五大力
ゴダイリキ
内海を航行する荷船、傳馬テンマよりは稍大なるもの。
- 五大力菩薩
ゴダイリキボサツ
金剛吼・龍王吼・无畏方吼・雷電吼・无量力吼をいふ。
王三寶を信ずる時は、佛、五大力菩薩を遣して、其の國を護らしむといふ。
- 五道
ゴダウ
天・人・地獄・畜生・餓鬼(法華經)
- 五達
ゴタツ
五方に通ずるちまた、五辻みち。
- 五達道
ゴタツダウ
天下古今の共に由る所の道五つ。
- 五段敎授法
ゴダンケウジユハフ
心理自然の理法に從ひて豫備・提示・連結・統括・應用の五段に分けて敎授する法。
- 五智
ゴチ
大日如來が成就せしといふ、五つのちゑ。法界體性智・大圓鏡智・平等性智・妙觀察智・成所作智。
- 五地
ゴチ
五種の土地。=五土。
- 五蟲
ゴチユウ
五種の動物。
- 五濁
ゴヂヨク
此世に起る五つのけがれ。次條五濁塵を見よ。
- 五濁塵
ゴヂヨクヂン
世の五つの穢。劫濁(時のけがれ)煩惱濁・衆生濁(惡人のけがれ)見濁(種種の惡見)命濁(人の壽命が漸次に縮まる)(楞嚴經)=五濁惡世。
- 五塵
ゴヂン
心の障礙となる五つのけがれ、色・聲・香・味・觸の五欲。
- 五痛
ゴツウ
五苦に同じ。
- 五丁
ゴテイ
五人の壯男。
- 五聽
ゴテイ
訟を聽く五つの法。
- 五帝
ゴテイ
少昊・顓頊・帝嚳・唐堯・虞舜(尙書、序)
黄帝・顓頊センギヨク帝嚳テイコク唐堯・虞舜(史記)
- 五鼎
ゴテイ
五つの鼎に五つの肉味を盛りて神に供へる。
- 五鼎食
ゴテイニクラフ
大夫の祭には、五鼎の肉を供す、故に榮進する義とす。
- 五典
ゴテン
父は義・母は慈・兄は友・弟は恭・子は孝、一說に父子親あり、君臣義あり、夫婦別あり、長幼序あり、朋友信あり(書、舜典)=五倫・五品・五常。
ごてん
人の常道。父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信。
- 五天竺
ゴテンヂク
天竺を東・西・南・北、中央の五に分ちて稱す。
- 五土
ゴト
山林・川澤・丘陵・墳衍・原隰(後漢書、明帝紀、注)=五地。
- 五都
ゴト
五つの都。
漢代は、洛陽・邯鄲・臨淄・宛・成都(紺珠)
漢・魏二代は、長安・譙・許昌・鄴・洛陽。(同上)
唐の肅宗の時は、京兆(上都)河南(東都)鳳翔(西都)江陵(南都)太原(北都)(地理通釋)