三
- 三十六峯
サンジフロクホウ
嵩山に三十六の峯あるをいふ。
京都の東山の別稱。
- 三十六鱗
サンジフロクリン
鯉の異名、脇に三十六鱗あるによる。=六六鱗。
- 三社
サンシヤ
伊勢神宮・石淸水八幡宮・春日明神。
- 三謝
サンシヤ
晉の謝靈運・謝惠連・謝元暉の稱(述書賦)
- 三赦
サンシヤ
三つのゆるすべきもの。
- 三上
サンジヤウ
文章を鍊る三つの場所、卽ち、馬上・枕上・廁上をいふ。
- 三章
サンシヤウ
漢の高祖の定めし三ヶ條の法律。
- 三常
サンジヤウ
三つの常に定りて變らざるもの。
- 三舍之法
サンシヤノハフ
宋の神宗の時、初めて學に入る者を外舍と爲す、其の數七百員、外舍より内舍に升す、二百員、内舍より上舍に升す、一百員、員、各一經を治む、月に其の業を考試し、次を以て舍を升す、上舍の者は發解及び禮部試・召試を免じて第を賜ふ。
- 三儒
サンジユ
三人の儒者、董仲舒・公孫弘・兒寛(紺珠)
- 三從
サンジユウ
婦人の從ふべき三つの道。
- 三從兄弟
サンジユウケイテイ
またいとこ。
- 三珠樹
サンシユジユ
一種の珍木の名。轉じて三人のすぐれたる兄弟に喩ふ。
- 三銖錢
サンシユセン
古の錢の名、三銖の重量あり。
- 三出
サンシユツ
雹の形狀。
- 三種神器
サンシユノジンギ
天照大神より瓊瓊杵尊に授けたまひし三つの神寶、天皇の天日嗣を知しめす御璽ミシルシとす、卽ち八咫ヤタの鏡と、草薙(初名、叢雲ムラクモ)の劍と、八尺瓊ヤサカニの曲玉マガタマと。
- 三旬
サンジユン
上旬・中旬・下旬の稱。=三澣。
三十日閒。
三十年。
- 三春
サンシユン
陰曆の正月(孟春)二月(仲春)三月(季春)
三ヶ年、三度の春。
- 三津
サンシン
さんがのつ、薩摩の坊の津、筑前の博多、伊勢の阿濃津、一說に阿濃津を除きて堺を加ふ。
- 三辰
サンシン
日・月・星。=三光。
- 三仁
サンジン
殷末の三人の忠臣、微子・箕子・比干。
- 三秦
サンシン
秦亡びて項羽、秦の降將三人を關中に封ず、これを三秦といふ、一、雍王章邯、二、塞王司馬欣、三、翟王董翳(史、始皇紀)
- 三神
サンジン
三はしらの神。萬物造化の三神は、天御中主神・高皇產靈神・神皇產靈神。
和歌の三神は住吉・玉津島・人丸。
- 三晉
サンシン
戰國時代の趙・魏・韓の三氏、三氏は晉の卿たりしが、後ち晉の地を分ちて獨立す。
- 三親
サンシン
夫婦・父子・兄弟(顏氏家訓)
- 三身
サンシン
法身(佛の本體)報身(法身の妙智の果報によりて現はれたる衆德圓滿の體)應身(衆生濟度の爲めに現はれたる體)
- 三神山
サンシンザン
仙人の住める三つの山。=三山・三壺。
- 三寸之轄
サンズンノクサビ
車のくさびは、僅に三寸に過ぎざれども、これなければ車の用をなさず、故に物事の主要なるものに喩ふ。
- 三寸舌
サンズンノシタ
舌をいふ。
- 三寸不律
サンズンフリツ
不律は筆の異名、不律の合音はヒツ(筆)なり、三寸は其の長さ。
- 三聖
サンセイ
伏羲・文王・孔子、また禹・周公・孔子、また堯・舜・禹、また文王・武王・周公(紺珠)
孔子・老子・釋迦。
- 三星
サンセイ
二十八宿中の東方七宿に屬する心星の一名。
- 三世
サンセイ
祖父・父・子。
サンゼ
過去・現在・未來。
- 三牲
サンセイ
三種のいけにへ、牛・羊・豕。
- 三省
サンセイ
幾度も我身をかへりみて、過失なきやうにする。
唐の官制、中書省・門下省・尙書省の稱。
- 三齊
サンセイ
齊を齊・濟北・膠東の三つに分てる稱。
また三齊記「卽墨(右)臨淄(中)平陸(左)」
- 三精
サンセイ
日・月・星の稱(後漢書、注)=三光・三辰。
- 三牲之養
サンセイノヤシナヒ
牛・羊・豕の三を備へて手厚く親を養ふ。
- 三少
サンセウ
三孤に同じ。
- 三焦
サンセウ
漢方にて六腑の一、上中下に分れ、上焦は心臟の下に在り、中焦は胃の中脘に在り、下焦は膀胱の上口に在りて、排泄をつかさどるといふ(難經)
- 三笑
サンセウ
晉の慧遠法師、廬山に在り、陶元亮・陸修靜二人を送り、與に語りて道合し、覺えず虎溪を過ぎ虎の鳴くを聞きて心づき、因りて大笑せし故事。
- 三蹟
サンセキ
古の三能書家、蹟は筆跡。小野道風・藤原佐理・藤原行成。
- 三尺
サンセキ
法律をいふ、古は三尺の竹𥳑に法律を書せしが故。
劍をいふ。
さんじゃく
さんせき
刀剣。
- 三夕
サンセキ
秋の夕をよめる三つの秀歌。藤原定家の「見渡せば花も紅葉もなかりけり、浦の苫屋の秋の夕暮」西行法師の「心なき身にもあはれは知られけり、鴫立澤の秋の夕暮」寂蓮法師の「さびしさはその色としもなかりけり、槇立山の秋の夕暮」
- 三尺之劍
サンセキノケン
劍をいふ、三尺は其の長さ。
- 三尺秋水
サンセキノシウスヰ
劍をいふ、秋水は色に喩ふ。
- 三尺童子
サンセキノドウジ
五六歲のわらべ。
- 三世相
サンゼサウ
佛說又は陰陽道などの說に本づきて人の生死人相等を說き、過去・現在・未來三世の因果應報を判する法。
- 三絶
サンゼツ
三種の藝の特にすぐれたる義。詩・書・畫の優秀なるをいふ。
三首の絶句。
- 三川
サンセン
河南郡の異稱。河・洛・伊の三川あるが故。
涇・渭・洛の稱。(紺珠)