不
- 不刊之書
フカンノシヨ
けづられぬ書、永く傳はりて亡びざる良書。=不朽之書。
- 不諱
フキ
君父の名の字をば忌み避けざるをいふ。
直言して諫むる。
不㆑可㆑諱の略、死をいふ、死は人の諱み避くる能はざるものなるが故。
- 不軌
フキ
法度を守らず、むほん。
- 不羈
フキ
つながれず、束縛すべからず、常規を以て律し難し「磊落不羈」
ふき
何者にも束縛されない。
- 不義
フギ
正義に背く。
みそかごと、まをとこ、姦通。
- 不朽
フキウ
くち亡びずして永く傳はる。
- 不朽之勳
フキウノクン
後世までくちざるいさを。
- 不朽之盛事
フキウノセイジ
文章をいふ。
- 不規則
フキソク
きまりがない、規則立たず。=不規律。
- 不吉
フキツ
目出度(めでた)からず。=不祥。
- 不歸客
フキノカク
かへらぬ人、死せし人、鬼籍に入る人。=不起人。
- 不起人
フキノヒト
ふたたび起たざる人、卽ち死せし人。=不歸客。
- 不義富貴
フギノフウキ
不義にて得たる富貴。
- 不急官
フキフノクワン
さし急ぎて置かずともよき官職、さしあたり必要のなき官。=宂官ジヨウクワン
- 不急之察
フキフノサツ
いらざる事をせんぎだてする。
- 不行儀
フギヤウギ
行狀惡し、不作法。=不行跡・不行狀。
- 不行跡
フギヤウセキ
行狀がわるい、不行儀、不品行。
- 不興
フキヨウ
面白からず、興味なし。
機嫌惡し、立腹する。
- 不共
フキヨウ
共は供、朝廷に貢物を供奉せず、諸侯が天子の御機嫌うかがひをせず。=不享・不庭。
- 不器用
ブキヨウ
事するに拙し、下手ヘタ
- 不規律
フキリツ
きまりなし、規律なし。=不規則・不紀律。
- 不器量
ブキリヤウ
腕前ウデマヘなし。
みにくし。
- 不龜手之藥
フキンシユノクスリ
手にひび、あかぎれ(龜手)のきれぬくすり。
- 不虞
フグ
はからず、あてにせず、豫期せず。
思ひがけぬわざはひ、不測の禍。
ふぐ
予想外。おもいがけない出来事。不測の事態。
- 不具
フグ
そなはらず、かたは。=畸形。
書翰の終に書く語。=不乙・不備・不宣。
- 不耦
フグウ
ふしあはせ、不幸にして時に遇はず。=不遇。
- 不遇
フグウ
時に遇はず、ふしあはせ(不仕合)不運。=不耦。
- 不屈
フクツ
屈せず、心をまげて屈伏せず、節を變ぜず。
よわらぬ、中途にて挫けず「不屈不撓」
- 不換紙幣
フクワンシヘイ
法律上のカによりて發行し、本位貨幣と引換の規定なきさつ。=不兌換紙幣。
- 不君
フクン
君たる道を失ふ。
- 不羣
フグン
羣衆にすぐれて拔き出る。
- 不慧
フケイ
さとくなし、賢カシコからず。=不才。
- 不經
フケイ
常法に遵はざる義。
- 不敬
フケイ
うやまひつつしまず、禮を缺く。
- 不稽
フケイ
かんがへきはめず、よりどころ無し、たしかならず。=無稽・荒誕クワウタン
- 不経
ふけい
経(のり)ならず。道理に合わない。常法にそむく。
- 不景氣
フケイキ
世の中のけいきよからず、人氣が引き立たず、商業が衰へる。
- 不敬罪
フケイザイ
皇室に無禮せしつみ。
- 不經濟
フケイザイ
むだが多い、儉約にならず。
- 不繫之舟
フケイノフネ
つながざる舟、人閒を超絶テウゼツせし虛心平氣無念無想の心に喩ふ。
轉じて飄泊して定めなきに喩ふ。
- 不潔
フケツ
きたなし、又、其の物。=不淨。
- 不結果
フケツクワ
不出來、效果があがらず。=不首尾。
- 不愜
フケフ
こころよく思はず。=不快。
- 不見識
フケンシキ
見識がない、重みがない。
- 不言之花
フゲンノハナ
ものいはぬ花、桃李をいふ。
- 不言之敎
フゲンノヲシヘ
老莊の無爲自然の敎。
- 不辜
フコ
罪なきもの。=無辜。
- 不公平
フコウヘイ
公平ならず、えこひいき、公明正大ならず。=偏頗。
- 不穀
フコク
穀は善なり、不善の義、王侯などの謙稱。
- 不在
フザイ
畱守ルス其の所に居らず。