漁夫の図に託して、隠者の志懐を詠ず。
兩鬢皤皤霜雪垂 蘆洲水淺吐花時好將整頓乾坤手 獨向江湖理釣絲
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両鬢(りょうびん)皤皤(はは)霜雪(そうせつ)垂(た)る、蘆洲(ろしゅう)水(みず)淺(あさ)し花(はな)吐(は)くの時(とき)。好(よ)し乾坤(けんこん)を整頓(せいとん)するの手(て)を将(も)つて、獨(ひと)り江湖(こうこ)に向(むか)つて釣絲(ちょうし)を理(おさ)む。#1
漁翁の髭(ひげ)は霜雪の如くに白く垂れ、蘆(あし)の茂る中州は水も浅くなり花が満開である。ああ天下を経綸する手をもって、独り悠然と江湖に向かって釣り糸を垂れている。
太公望の故事を詠ず。 太公望は周建国の功臣。 老年まで貧窮、渭水の畔で釣りする太公望に出会った文王が、共に語り嘆じて曰く、 あなたこそ我が祖父・太公の望んでいた人物に違いない、と。 故に太公望と号す。 周が天下の三分の二を有し、遂には殷を討伐して天下を治めるに至るは、太公望の深謀に由るところ多しという。
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