- 注解
- *1𠂤は廟や軍社に祀る祭肉、それを携えて軍行する軍団が師、その肉を分与して部隊を派遣するのが遣、派遣し追撃するのが追、𠂤を奉じて凱旋するのが歸(帰)、𠂤を安置するため駐留地に設けた屋舎が官、そこが将軍の居るところで館という。
- 備考
- #1歸(かえ)る。帰還する。もどってくる。
- #2歸(とつ)ぐ。嫁にいく。
- #3歸(おく)る。饋・餽に通ず。食物をおくる。
- #4声符は𠂤(説文解字)
- #5止歩いてもどる+帚ほうき+音符𠂤土盛りの堆積したさま。歸はもと帚(ほうき)に𠂤を音符としてそえた形声文字。回と同系のことば。女性がとついで箒(ほうき)を持ち家事に従事するのは、あるべきポストに落ち着いたことなので、「キ(クヰ)」といい、のちさらに止(あし)を加えて歩いてもどることを示した。あちこち回ったすえ、定位置にもどって落ち着くのを広く「キ」という。(漢字源)
- #6𠂤(し)+止+帚。卜文・金文の字形は𠂤と帚とに従い、止は後に加えられた。𠂤は軍が出行するときに軍社に祭った肉。帚は廟中を清めるもので、寝廟を意味する。軍が帰還すると、𠂤を寝廟に収めて報告祭をした。婦人の嫁することを「帰」というのは、異姓の女が新たに寝廟につかえることについて、祖霊の承認を求める儀礼を行うからである。(字通)
- #7字通