無学祖元
宋末の僧。
釋祖元(しゃくそげん)、俗性は許氏(きょし)、字は子元(しげん)、無学は号。
元騒乱を避けて北条時宗の請状に接し日本渡航。
鎌倉の建長寺に住し、後に円覚寺の成るに及んで開山第一世となる。
弘安九年九月三日没。
享年六十一。
- 生年
1226年
- 没年
1286年
- 生誕
明州慶元府
示虜
乾坤無地卓弧筇。喜得人空法亦空。珍重大元三尺劍。電光影裡斬春風。
乾坤(けんこん)地無し弧筇(こきょう)の卓(たく)、喜(よろこ)び得たり人(ひと)空(くう)にして法(ほう)も亦(ま)た空なるを。珍重(ちんちょう)す大元(たいげん)三尺(さんせき)の剣(けん)、電光(でんこう)影裡(えいり)春風(しゅんぷう)を斬(き)る。
天地の間に我が一身の卓立するところはない、気づいてしまったのだ人は空であり法もまた空であることを。その大切に携えた立派な大剣は、一瞬にして春の穏やかな風を斬り裂くのだ。