至元(しげん)十三年、温州(うんしゅう)兵難に遭いて堂中に坐し、元兵の刃が迫るや従容として唱へ、圧倒された元兵は悔謝(かいしゃ)して去った。 別名「臨刃偈(りんじんげ)」。
乾坤無地卓弧筇 喜得人空法亦空珍重大元三尺劍 電光影裡斬春風
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乾坤(けんこん)地無し弧筇(こきょう)の卓(たく)、喜(よろこ)び得たり人(ひと)空(くう)にして法(ほう)も亦(ま)た空なるを。珍重(ちんちょう)す大元(たいげん)三尺(さんせき)の剣(けん)、電光(でんこう)影裡(えいり)春風(しゅんぷう)を斬(き)る。
天地の間に我が一身の卓立するところはない、気づいてしまったのだ人は空であり法もまた空であることを。その大切に携えた立派な大剣は、一瞬にして春の穏やかな風を斬り裂くのだ。
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