能登征伐に遊佐弾正(ゆさだんじょう)の七尾城(ななおじょう)を攻むるに及び、偶々(たまたま)九月十三夜の明月に会し陣中にて作す。
霜滿軍營秋氣清 數行過雁月三更越山併得能州景 遮莫家郷憶遠征
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霜(しも)軍営(ぐんえい)に満(み)ちて秋気(しゅうき)清(きよ)し、数行(すぎょう)の過雁(かがん)月(つき)三更(さんこう)。越山(えつざん)併(あは)せ得(え)たり能州(のうしゅう)の景(けい)、遮莫(さもあらばあれ)家郷(かきょう)遠征(えんせい)を憶(おも)ふ。
霜が陣営に舞い降り秋の気は澄み渡っている、夜空の月に雁が列をなして渡っていった。越州の山々と能登が織り成すこの絶景、我等を想う故郷のことは置いておこう。
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