- 注解
- *1信は信實と熟す、閒違マチガヒなき義、實よりはやや輕し。「國家之存亡禍福、信有㆓天命㆒、非㆓惟人㆒也」の如し。
- *2眞はほんまにと譯し、僞之反と註す、うぶのままにて、少しもつくろはざる義、天眞・性眞などと熟す。史、畱侯世家「呂后眞而主矣」
- *3誠は詐の反、眞と同用、眞誠と熟するにても知るべし。孟子「子誠齊人也」
- *4固はもとよりとも訓む、當然之詞と註す「寡固不㆑可㆓以敵㆒㆑衆」の如し。
- *5實は虛の反なり、充滿して闕くるなきにいふ、しかとと譯す。左傳「陳嬀歸㆓于京師㆒、實惠后」寔と通じ用ふ。
- *6良はげにもと譯す、善也と註す「良有㆑以也」の如し。
- *7諒は彼我の心の相通ずるにいふ、良に略略同じ、亮に同じ。
- *8苟は誠也と註す「苟志㆓於仁㆒、則無㆑惡矣」の如し。
- *9洵はくりかへし、くりかへしてもその通りの義。詩、王風「洵美且仁」
- *10允はゆるすといふ義、いかにもと譯す、事理のたがはずして、しつくりとかなふを、允當といふ、信也と註す。書經「允執㆓其中㆒」
- *11匙の匕はさじ、頃・傾の匕は降下する神霊の姿、真(眞)・老の𠤎は化する意。
- *12眞は道殣行き倒れの象で、それを祀所に寘(お)くことを寘(し)、その屍体を塡めることを塡(てん)、霊を鎮めることを鎭(ちん)という。
- 備考
- #1僊人なり、形を變へて天に登るなり、𠤎に従ひ、目に従ひ、乚に従ふ、八なるものは、乘載の所なり。(説文解字)
- #2𠤎(か)+県(けん)。𠤎は化の初文で死者。県は首の倒形で倒懸の象。顚死(てんし)の人をいう。顚死者は霊威の最も恐るべきもので、慎んでこれを塡めて鎮(しず)め、これを廟中に寘(お)き、その瞋(いか)りを安んじ、玉を以て呪霊を塡塞(てんそく)するを瑱という。眞に従う字は、みなその声義をとる字である。〔荘子、秋水〕に「其の眞に反る」、〔荘子、大宗師〕に「眞人りて、而る後に眞知有り」など、絶対の死を経て真宰の世界に入るとする思弁法があって、真には重要な理念としての意味が与えられるようになった。(字通)
- #3「匕(さじ)+鼎(かなえ)」で、匙(さじ)で容器に物をみたすさまを示す。(漢字源)
- #4(字通)
- #5字源
- #6字通