- 注解
- *1侵は漸進也と註す、いつとは無しに、ひそかにをかす意なり、軍に鐘鼓なく、しのびて國を伐つを侵といふ。
- *2犯は獸などの人の田畑をふみあらす如く、むやみに他領にふみ入る意、犯㆑上・犯㆑顏・犯㆑法などと用ふ。
- *3干は求也、犯也、此の方よりかまはずに、犯し入る義、權門などへとり入り仕宦等を求むるを、干請といふ。
- *4冒は說文に「蒙而進也」とあり、何にても首に物を被りて進む義、綿帽子を絮冒といふ、冒㆑雪・冒㆓矢石㆒などと用ふ、他の姓を稱するを冒㆑姓といふ。史記「靑冒㆑姓、爲㆓衞氏㆒」註に、冒は假稱するを謂ふ、人首の覆冒あるが若しとあり。
- *5帚は香り酒をそそいで廟中を清める玉ははき、その帚(ほうき)をもつ形が𠬶、そのことに一家の主婦としてあたるのが婦、その廟屋が寑(𡨦)、その寝臥のところが寢(寝)、その寝臥中に夢魔にうなされるのが㝲、清め祓われてその気が次第に浸透するのが浸・祲・侵。
- *6漢書、田蚡傳「貌侵而體弱」