第十六章
原文
子曰。
鬼神之爲德。其盛矣乎。
視之而弗見。聽之而弗聞。體物而不可遺。
使天下之人。齊明盛服。以承祭祀。洋洋乎如在其上。如在其左右。
詩曰。神之格思、不可度思。矧可射思。#1
夫微之顯。誠之不可揜。如此夫。
書き下し文
子曰く、
鬼神(きしん)の徳(とく)たるや、其(そ)れ盛(せい)なるかな。
之(こ)れを視(み)れども見(み)えず、之(こ)れを聴(き)けども聞(き)こえず、物(もの)に體(たい)して遺(のこ)す可(べ)からず。
天下(てんか)の人(ひと)をして、斉明(さいめい)盛服(せいふく)して、以(もつ)て祭祀(さいし)を承(う)けしめ、洋洋乎(ようようこ)として其(そ)の上(かみ)に在(あ)るが如(ごと)く、其(そ)の左右(さゆう)に在るが如し。
詩に曰く、神(しん)の格(いた)る、度(はか)る可(べ)からず、矧(いは)んや射(いと)ふ可(べ)けんやと。
夫(そ)れ微(び)の顕(あきら)かなる、誠(まこと)の揜(おほ)ふべからざる、此(かく)の如(ごと)き夫(かな)。
- 備考
- #1語末の思は、終助詞で読まない。