- 注解
- *1云・曰の二字は義略々(ほぼ)同じ、正字通にも、「云與㆑曰、音別義同、凡經史曰通作㆑云」とあり、但し云は、意稍輕く、曰は稍重し、云の字、文の終におきて「誰氏云」との如く結ぶことあり、これは誰が此の如く云へりとの意なり、かかる所に、曰の字を用ふることなし。
- *2云は、意稍輕く、曰は稍重し
- *3言・謂の二字は義略々(ほぼ)同じ、言は心に思ふ所を、口に述ぶるなり、言論・言說などと熟す。
- *4謂は、報也、告也と註す、人に對して言ふなり、「子謂㆓顏淵㆒曰」の如し、又、人に對して言ふにあらずして、其の人を評して言ふにも用ふ。「子謂㆓子賤㆒」の如し、又謂は「おもへらく」とも訓む、心に思ふことは、必ず口にあらはるればなり。
- *5道は言と同じ、ただ言は、多く實用にして重く、道は虛用にして輕し、孟子に「道㆓性善㆒、言必稱㆓堯舜㆒」の如し。
- *6言は神霊に誓って祈る言葉、音はそれに応答した神のおとづれ、諾はその祈りを承けた神の応諾、語は神霊を鎮める言葉、諺はことわざ、神霊にはたらきかける言葉。
- 備考
- #1言(い)う。心におもうところを述べる。誓って言う。
- #2言葉(ことば)。
- #3辛(しん)+口。辛は入墨に用いる針の形。口は祝詞を収める器の
(さい)。盟誓のとき、もし違約するときは入墨の刑を受けるという自己詛盟の意をもって、その盟誓の器の上に辛をそえる。その盟誓の辞を言という。言語は、本来論議することではなく、呪的な性格をもつものであり、言を神に供えて、その応答のあることを音という。神の「音なひ」を待つ行為が、言であった。(字通)
- #4辛きれめをつける刃物+口。口をふさいでもぐもぐいうことを音オン・諳アンといい、はっきりかどめをつけて発音することを言という。(漢字源)
- #5声符は䇂(説文解字)
- #6(字通)
- #7字源
- #8字通